外しされた鎖

本来ならこんな事望んでいなかったがこうするしかなかったと思う。声にならない声を絞り出して声を出した。覚悟していた痛みを伴うと分かっていても来るものがあるし、何度経験していても慣れることはないだろう。僕はいつものように言い聞かせていた。夜の悪天候はまるでこれから起こることを予測しているようだった。こちらを見ているほたるが僕の意思を揺るがしていたが深呼吸をして言うことにした。

「こっちを見てよ。」

僕は見せられないぐらいに酷い悲しい顔をしていたのでそっぽを向いていた。時間をかけて泣くのを堪えて言葉を放った。

「ほたる今までありがとう。もうこれで終わりにしよう。」

若干気が付かれていたようなそんな感じがした。僕らは悲しいほど心が分からなくなっていた。お互いに疲れ切ったそういうべきだろうか。何が気に食わなくて毎回喧嘩していたのかも。そして僕たちの絆は絆は暗転し始めて段々と浸食していった。

「そっか。私もそう思っていたんだ。重苦しい関係だったからかな。私たちこういう関係向かないんだね。」

「ごめん。傷つけたのは僕の方なのに、身勝手な事言って。出来ることならばもっと過ごしていたかった。もし望めるのならばまた会うときは友達として関わりたい。もう無理か。」

崩れてきている僕らの世界はもう望めない事だった。だから最善の方法をとっていたのだがどちらに転んでも悲しませることが前提条件になっていた

「…じゃあこれでおしまい。またね。兼心。」

ほたるの周りには土砂降りの雨が降っていた。僕らは何をしたかったんだろうこんなことしたかったのかと自問自答していた。

「さよなら、僕の最愛のほたる。」

その言葉を残して僕は後にした。


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