酒飲み

久しぶりに会った創一は何も変わってなかったようだった。何にも聞かないでくれたのは優しいからである。

「悪いね。気を使わせて。」

「どうした。らしくないじゃんか。話だったらいくらでも聞いてやるからさ。ささ店に入ろう。今日は酒入れるか。」

「溺れるまで入れたい。」

店員が来たのでとりあえず頼むだけ頼んで来るまでの間、色々と聞かれた。

「暗いのは大体察するに上手くいってないだろ。」

僕は大体あっていることに驚いて茫然していた。なんでわかったのだろうか。僕は歌手にうなずいた。

「なんで分かった。」

「そりゃ分かるさ。何年も馬鹿やってるんだから。それにしても飲酒するんだな。いつもは飲み屋に連行してもかたくなに断ったのに。」

「まあ色々とあったもんで。」

頼んでいた物が卓上に並べられた。創一は酒が来ると相変わらずわくわくしていた。のんべえなのはいつもの事だった。

「乾杯しよう。」

「何に今日ってなにもないよ。」

「いいや居酒屋すんなり来たから。」

なんだそりゃとなったが面白くなって少し笑ってしまった。

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