現実逃避

頭の痛さに起きてしまった。出来ることならば寝て居たかった。考えることもなくだた時間が過ぎていくからだ。二度寝したかったがそれでは駄目だと分かっていたから無理やりコーヒーを流し込んだ。ちょっとは頭痛が治ればよいのだが。休日なのに心が躍るはずもない。ちょっとだけ片付けをしようと重い腰を上げる。家はずっと時が止まったままであった。もうそろそろ動き出さないとな、そう言い聞かせて僕は片付けをした。昨日の散らかしは酷く荒れていた。荒れた時の記憶はないが原因は覚えている。ほたるに謝らないといけないそう考えてメッセージを打っていた。

「ごめん。グラス割れた。弁償ならするから。」

既読はつかないだろう。そう考えて僕は部屋の時計を進めることにした。自分の手がそれを拒んでいた。散らかり切っていた部屋を後にして僕は外に出た。自分で決めたことなのにどこかに逃避していた。外は快晴なのに暗い世界にいるようだった。僕は何をしたかったのだろうか。街に来て買い物をしようとするが買いたいものはなくただ時間が過ぎていく。後ろから聞きなれた声がした。

「久しいね。兼心。浮かない顔だけどどうしたのかい。」

創一は何かを察したような顔をしていた。

「少し話してもいいかい。」




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