客人

誰かが連絡をくれたらしい。音が鳴ったから分かった。重い瞼をあけながら確認をした。

「久しぶり。明日ほたるのところに行っていい。」

良く分からないが予定もないので酒に酔って即答してしまった。そんな事より早く寝たかった。

「いいよ。」

そうして私は再び何にも考えずに眠りについた。

なぜか目覚まし時計がインターホンになっているらしい。遂に聴覚までいかれたのかと目覚まし時計を止めるが止まらない。じゃあ客人か。変な服装にならないように色合いに気を付けて着替えてドアを開けた。

「どうしたの。部屋だいぶ汚れてるけれど。」

久しぶりに会った友人に第一声がそれかと思われるが部屋は酒の瓶とお菓子の袋で汚かった。

「どうしたの。花音なんでここに。」

「昨日言ったじゃん、ちょっと用事があるからこっちに来たんだよ。珍しいねお菓子食べなかったのに。酒も飲めなかったじゃん。」

私は聞かれて焦ってしまった。感情が爆発してしまったのか雨模様になっていた。

「どうしたの、いやな事でもあった。とりあえずはお邪魔するね。」

慰められるように部屋に連れてこられて落ち着くまで何も聞かないでくれていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る