因習の果て、神の花嫁は、まことの絆を結ぶ

豊かな実りの桃源郷、刀根田村。
その村に祀られているのは、豊穣の神である八千矛神。
椿という名の盲目の娘が、花嫁として、八千矛神に捧げられたことから物語は始まる。
椿は、八千矛神の大蔵で七日間を過ごす間に、そこに祀られていたモノと心を通わせ、そして――

この物語は、始まりこそ恐ろしい因習が描かれています。
しかし、読み進めていくと、黒かった世界が美しく色付いていき、静かで優しいセカンドライフが幕を開けます。
確かな絆を繋ぎ、まさしく夫婦として寄り添い合う二人。
辛く苦しい時を過ごした二人の、幸せを願わずにはいられません。

情景描写がとにかく美しく、鮮やか。
特に山桜のシーンは必見!

淑やかで色っぽい(ああ、なんと言えばいいのか。語彙力が足りません!)、素敵な作品です♪

その他のおすすめレビュー

矢口愛留さんの他のおすすめレビュー590