概要
優しさと苛烈さが同居する長兄、一也(いちや)。家庭的で心優しい長女、二緒子(におこ)。明るく真っすぐな気性の次男、三朗(さぶろう)。まだ何者でもなく、何者になるとも決まっていない幼い三男、四輝(しき)。
彼らは、故郷を襲い、父神や母の一族を滅ぼした術者集団、神狩(かがり)一族御三家の一人、鬼堂興国(きどうおきくに)に、命と兄弟以外の全てを奪われ、その支配下に置かれる。
そうして、人の世の安寧を脅かす魑魅魍魎――妖種を退治する『役(えき)』や、鬼堂家と敵対する術者たちとの戦いに投入されていく。いつか解き放たれる、その日まで。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!重厚で濃密な異色ファンタジーに引き込まれること間違いなし
最新77話まで拝読してのレビューです。
最初にひと言、その辺のありきたりな流行りもの作品を読みたい方には向いていません。
古典的なファンタジーの中でも、とりわけ重厚で濃密な作品であるが故に読み手を選ぶでしょう。
しかしながら、少なからずその手の作品を求めている方には間違いなくはまります。それはもう見事なほどにです。
主役は龍神と人との間に生まれた真那世(まなせ)四兄弟、彼らは人の姿でありながら神の力を宿す特殊な存在です。
そのような存在が今では俗物たちの配下となり、極めて劣悪な環境のもとで使役されているのです。その辺の事情はご一読ください。
この四兄弟、力を合わせて生き抜いていますが、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これはもう「物語」の域を超えた「別世界」
このレビューをお読みいただいている方に、先ずはお願いがあります。この物語を読む時には、しっかりと時間を作っていただきたいのです。
お察しいただけるかと思いますが、この重厚で奥深いお話は、片手間でサラサラ読み進めて、その本質が分かる様な物語ではありません。
ですが、断言します。時間を作ってまで読む価値が、この物語にはあります。
頭の中に即座に描ける、まるですぐそこに広がっているかの様な世界。息遣いや衣擦れの音が聞こえてくる登場人物達。息を呑まざるを得ない、予断を許さない戦闘描写。そのどれもを下支えするのは、他に類を見ないほど圧倒的なレベルの細やかな筆致です。これほどまでに精緻に描けば、必然一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人と神の間の子「真那世」という種。使役される「真那世」四兄弟の運命は?
人と真神の間に生まれた「真那世」という種。
人の上位種でありながら、今や「真那世」は、抹殺されるか、ひどい扱いで使役されています。
そんな「真那世」の四兄弟、一也、二緒子、三朗、そして幼い四輝。
彼らは、妖種という怪物と戦わされ、人に悪口を言われながら、過酷な環境で使役されているのです。
どうして、神の力を有し、人より優れた力をもつ「真那世」がそんな境遇になってしまったのか。
そして「真那世」四兄弟は、不幸な運命に打ち勝っていけるのか。
それらが伝承と、兄弟愛と、戦いの中で明らかになっていきます。
驚くほど緻密な設定、ゆるぎのない世界観。
アクションシーンの見事な描写には目…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人が人である為の尊厳とは 不可侵の兄弟愛に心震わす
『龍神と人との間に生まれた四兄弟』『兄弟愛』『和風ファンタジー』
気になるいくつかのフレーズに惹かれ、何気なく開いた物語でした。
しかし、最初から圧倒されるような世界感と、その緻密な表現に、気が付けばこの物語の雰囲気にはまり込んでいました。
一話の文章量や硬派な地の文は、昨今のWeb小説では好まれないものかもしれません。
しかし、それでしか表せない濃厚な雰囲気と、登場人物それぞれの細やかな心情、息詰まる戦闘描写がこの作品の大きな魅力だと思います。
そして、芯のある登場人物達がとにかく格好良いのです!
理不尽に晒され心折れてもおかしくない境遇の四兄弟が、それでも支え合い僅かな光を失わずに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!胸震わす兄弟愛。傑作の予感しかしない和風ファンタジー おすすめです!!
最新話まで読んでのレビューです。
緻密に練り上げられた「秋津洲」を舞台に進むのは、龍神を父に持ち強大な力を宿した斗和田の4人兄弟の物語。
人族主体の社会にあって、神の力を受け継ぐがために向けられる、偏見と侮蔑。
過酷な状況下でも、兄弟はお互いを思い合って、それぞれに強く在ろうと足掻く。
しっかりとした文体で描かれる、彼らの苦悩と葛藤は強く胸に迫り、時が経つのも忘れて世界に没頭させてくれます。
スクロールするのも、もどかしい。もっと、もっとと読み進めたくなる珠玉の和風ファンタジーです。
書き込まれた地の文と読み応えのある作品を求めている方には、特におすすめです!!