第14話 食事と鍛錬と

「あー始まるのか 3年ここか」

「そうだなサカモト ちなみにだが順当に年は取るからな」

「うあ~28になるのか 30手前の年齢を毎回偽るのね俺は」

「まあ3年など私たちからしたら些細な物だ」

「人間は大事なんだよ」

とりあえず家でやることもないので筋トレを始めるサカモト


「サカモト上下運動をしながらでいいから聞くぞ」

「どうした?」

「いつも通りのアザトースが現れてからではなく万が一のためにフルートの音が聞こえた瞬間に戻るように設定しておくが大丈夫か?」

「ああ 頼む」

再び筋トレに励むサカモト


2週終了


「そういえばさジョン」

「どうした?サカモト」

「いやこの前頼んだ人たちはどうなったんだろうな?」

「ああ 気にしてなかった」

「まあいいかどうせ蘇るしな」

「そうだぞ この状況において死ぬか生きるかは重要ではない」

「まあそうだな 今は集中するよ」

「本当サカモトは運動が好きだな」

繰り返し筋トレを行う


10週終了


「今何週だ?」

「10週だ」

「うへー・・・まあ筋トレをやるか」

「それよりサカモト今日の飯は何だ」

「あーそんな時間か」

「神である私もお前の料理は楽しみだ」

「何がいいんだ?」

「「肉!!!」」

「へいへい 角煮だな たまにはいいだろう」

「おお!あれか!インターネットで見たぞ!」

「甘く煮た豚らしいな 味の想像がつかんぞ!」

「お前ら結構似た物同士だよな」

「「そうか?」」

「馬鹿と天才は紙一重って奴か?」

呆れながらも角煮を作る準備をしていくサカモト。

インターネットで激ウマと書いてあったので信用していいのだろう。


待つこと1時間。


「できあがったぞー」

「「早くくれ」」

目を輝かせながら皿を持ってきて配膳を心待ちにする2人。


「「「いただきます」」」

ガツガツと食べていく3人。

「うまいな」

「うまいぞ」

「いやはや料理サイト様様だな」

「「私たちにもできるのか?」」

「ああ 今度から交代制にするか?」

「「いや 楽な方がいいからサカモト頼んだ」」

「そうかよ・・・」

期待も虚しく今後も続くことになりそうなサカモトであった。


「そうだサカモト 唐突だが私がもし神格ごとやられてしまった場合の事を話した方がいいか?」

「は?いきなりなんだよ」

「もしもがあるからな もし私が神格ごと存在ごと消されても気にするなよ」

「ああ そうか」

「そこそこの時間を過ごせば戻るからな」

「・・・一体何年ぐらい?」

「お前らの時間で言えば100年近くか?」

「・・・そうならないことを切に祈るよ」


1年経過


「ずっと筋トレしてきたから体つきが変わってきたな そろそろ武器を使った事もしてみるか? でもうーん まあいいか」

「サカモトは他の事しないのか?」

「ん?たまには外に出てるし休息もちゃんと取ってるぞ?」

「そう言えばそうだな 私は最早寝るか食べるかだ」

「いい御身分だな」

「ふふん巻き戻す力は私のおかげだ」

「ぐっ・・・」

不毛なやり取りを行いながら1年を過ごし体つきも筋肉が凄まじい事になっている。


「あ 今更なんだけどさ ループしている時間に俺らがいないけどそれはどうなってるの?いきなり俺が消えたみたいになってるの?」

「当り前じゃないかサカモト いつものバイトからお前は唐突に消えた扱いになってるぞ」

「うはぁ~ 怖いねえ」

美味い事事象が変わっている事はないと認識しより一層鍛錬に励むサカモト


2年経過


「これで2年か?」

「そうなるな」

2年経過するものの鍛錬や日々の休息で飽きは来るものの何とか過ごせていた。


「猫 力は戻りそうか?」

「ああ 私からしたら一瞬なのだがお前にしたら少し長いか?」

「いやいい時間を過ごせてるよ」

「そうか では後少しだ もう少し待ってくれ」

「一年だけどな・・・」


3年経過


「長かったな・・・猫 調子は戻ったか?」

「そうか?だがまあ調子は戻った」

「本調子なんだろうな?」

「ああ 問題なく戦えるだろう」

「そうか・・・じゃあ手筈通り金を頼んだ7日まで休んでいてくれ」

「分かったぞ」


「なあサカモト」

「どうした?ジョン」

「お前に一つ聞きたい」

「ん?」

「お前はもう人間を超えた 神の力神が作り出した機械全て人間が手にしてはいけない物ばかりだ それらの多くは人が手にすれば身に余る力で自分を滅ぼす」

「いいんだ 理由もなくここまでよく来れた7月8日へ行きたいっていう漠然とした理由だけで でも3年前ニャルラトホテプと会って分かったんだ やるしかないっていう自分の気持ち一つでここまで来たんだ あとはやるのみだ」

「なあサカモト・・・」

「どうしたんだよ」

「いや これは出過ぎた真似だった気にしないでくれ 何もない」

「そうか まあ俺はあいつを何とかするそれまでだ」

ジョンが何か言いかけていたが言いたくない事なのだろうと考え聞くのを避ける。


札などの準備も終えてあり今日から半グレ集団に号令をかけ7月7日に備える。

もうどうなろうと自分が死んだとしても世界を7月8日へ進ませる。

きっと自分は人間に戻れないとしても。



「さて・・・これがラストだ お前の野望もここまでだニャルラトホテプ」



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