第2話 スタートフラグ
「・・・は?」
「どうした?サカモトくん」
「いや俺・・・え?」
頭がおかしくなったのかと思うがどうしても記憶が残っており嘘だと思えない。
「俺今日何時上がりでしたっけ?」
「?さっきもう上がりでいいって言ったじゃないか」
「ああすいません。お先です」
いそいそと着替え挨拶をしてバイト先を後にするサカモト
「じゃお先でーす」
「また来週になるけどよろしくね~」
不安がつきまとい足早に家に帰ることにした。
ガチャ
「待ってたぞサカモト」
「うわぁ・・・やっぱいるよなあ・・・」
「なんだその残念そうな顔は」
「いや・・・ナンデモナイデス」
「これから本題に入る。お前がやるべきことは一つだ」
「・・・」
「アザトースの召喚を阻止することだ」
「なんだそりゃ」
「分かりやすく言えば邪神だ。そんな生ぬるいものではないがな」
「邪神ねぇ」
「私のような物がいるのだ。居てもおかしくはないだろう?」
「どんなことが起きるんだよ」
「見ただけで死ぬ強力な力を持っている。私たちでは到底太刀打ちできない」
「そんな事俺がどうやって阻止すんだよ」
「私は負傷していてな。とある邪神にやられてしまったため人類の体を使いお前と会話をしているまでだ。」
人類の事をこいつ見下しすぎじゃないか?と思うサカモト
「はぁ・・・よく分らんがそれは俺でも阻止できるのか?」
「頑張れよサカモト」
「いや・・・はぁ・・・で、誰が悪者なの?」
「たぶんだが人間と邪神が結託してやっている。」
「何でそもそも人間は呼ぶと死ぬのにやっているんだ?」
「それが邪神たちだ。そこの阻止は難しいだろうな」
「なるほどな・・・問題は山積みだ。」
「過去のお前は警察とやらを使ったが何も動かぬまま7日を迎え巻き戻した」
「警察もお手上げか・・・」
「一つ教えよう。お前は何度もやっているが一度でも奴を見た瞬間全てが無意味だ。そこに気を付けて行動しろ」
「分かったよ・・・ちなみに今で何回目だ?」
「今でちょうど20回目だ。このやり取りも9回としている。」
「・・・」
「落ち込むなお前には科学的には照明できない何かを感じるぞ」
「よく言うよ・・・だけど本当に何で俺なんだ?」
「我々には無いはずだが第六感というものが働いてな。他の体だけ屈強な物には興味は全く湧かない。だからお前に協力を頼んでいる。」
「協力じゃなくて強制だろ・・・」
半ば強制という形で何回目と分からない説明を受け考える。
「警察もダメか。今回の一回はどうしようか・・・まず動くか」
「賢明な判断だサカモト」
「さて、どうするか?とりあえずアザトースとやらを調べるか」
「それは私が説明した通りだ。弱点も無く文字通り最強だ。ただ気を付けてほしい点を伝え忘れていたな」
「なんだ?」
「絶対に目を覚まさせてはいけないという点だ。それをすれば文字通り地球どころかすべてが終わりだ。」
「は?」
「とにかくだ。起こした瞬間巻き戻しも何もない。アザトースが出て3分で私は強制的にリセットするようにしてある。」
「なるほどねぇ。文字通り終わりな訳だ。」
絶望的な終わりだが何度となく経験してきた事と考えると落ち着けるようになってきた自分が怖くなってきたサカモト
「ちなみにさっき言っていた人間と結託している邪神っていうのは何なんだ?」
「ニャルラトホテプという名前だ。こちらも本気を出せば人類ぐらい滅ぼせる」
「クソが・・・そいつらに弱点はあるのか?」
「アザトースは全くないがニャルラトホテプに関してはクトゥグアという邪神が大敵だ。ここに関しては歴史を見れば明らかだ」
「俺はそんなことしらないけどね・・・まあそいつを味方とかか?」
「まあほぼ不可能だがな。それをやろうとしたが結果は得られていなかった」
「でもやるしかないんだもんなー」
「そういうことだ。ちなみにお前を選んで良かったと思ってるのは他にもある。時間転移を生身の人間が何度も耐えられる事例は滅多にない」
「おい・・・お前そんな軽々しく俺を使うなよ」
「所詮人類などそのような物だ」
「過去の俺は何をしているんだ・・・まあ考えてもしょうがない。まずはあの黒服たちを探してみるか」
「待つんだ。これを持て」
「なんだこれ?」
「このついてるボタンを押せば7月1日17時45分に飛ぶことができる」
「なるほどな・・・どう足掻いても期限は一週間か」
今までの点ををまとめればこうだ。
・アザトースの召喚を阻止しろ
・人間と結託しているニャルラトホテプは手ごわすぎる
・ニャルラトホテプの弱点はクトゥグア
・行動できるのは7月1日17時45分から7月7日17時48分まで
・時間限界まで過ごしても強制的にリセット
・ボタンを押せばいつでもスタートに戻れる
・記憶はアザトースを見なければ引き継げる
「さて、まずはSNSだ」
「貸してみろ。こんな汎用品ではダメだ改造するぞ」
一分程度貸すとスマフォの画面がとんでもない事になっているが諦めていると見た目は特に変わらず返された。
少し触ってみるとSNSや全てのものが管理者権限、データの抽出、投稿の座標など全てが見れるようになっていた。
「プライバシーってのは無さそうだが便利だな」
「私はアザトースを見ても大丈夫だから記憶を引き継げるがサカモトの記憶までは分からない。何かあるときは私に言ってくれればスマートフォンとやらに記録しておくことにしよう」
「今までの俺の記録はあるのか?」
「あるはずだ。」
そこには過去のデータが乗っていた。
・これを見たら失敗してると思うけど頑張ってくれ次こそは
・黒服たちは儀式をしてアザトースを召喚しこの世を終わらせる
・タカサカ@人々の幸せ←こいつは黒服だが周りに付き人がいて厳しい
・ハザマ@救済への道←こいつは入りたて
・警察は動いてくれない証拠があればと思うがほぼ無理だろう
・一度疲れたら一回遊ぶのもアリ
・金は惜しむな
・黒服は武器を持っている(ナイフ)
・黒服の儀式を止めればいけるかもしれない
・7月7日の集団儀式の途中で殺しまくっても警察に止められる
・死んでも戻る 記憶は引き継ぐ(協力者がいれば)
・nyanyannyan←私の話を信じてくれたアカウント ハッカー?らしい
・ハッカーには「ハングドマン」という単語を送れば協力的になるはず
・7月1日19時にハザマがコンビニで買い物恵比寿東口降りてすぐ。喪服
・7月4日11時に高田馬場の喫茶店(フォースリー)で黒服目撃
・7月6日13時新宿に黒服のビル(レックスビル)から三人出てきた。黒服?
・7月7日14時に黒服ビルから15人程度出て街をうろついている黒服?下見か?
と書いてあった。
「20回やってこれか・・・」
「落ち込むなサカモト」
「死んでも大丈夫ってどういうことだ?」
「その通りだ。自殺しようが刺されようが現実でアザトースが出たらリセットだ」
「本当なんだな・・・」
少しグロッキーになるも何とか気を持ち直しSNSのハザマを追う事に決めたサカモト
「恵比寿にいるハザマに行くか・・・そんな時間もかからないし行ってみるか」
「では私は休ませてもらうぞ」
「はぁ・・・もう何でもいいや好きにしててくれ」
バックに荷物と万が一のために包丁を持って出かけることにしたサカモト。
(19時まで時間があるがコンビニで張っておこう)
18時ぐらいから張っているとハザマらしき人が現れた。
「あんたハザマって名前か?」
「何故それを?」
「宗教かなんかやってるだろ」
「入ってはいますが何も悪いことはしていません」
「そうか少し気になってな」
「でしたら是非」
「近くのファミレスで話さないか?」
「いいですが何かで神の力をお借りになりたくなったのですか?」
「まあいいから」
「不思議な人ですね」
「今回もダメそうだな」
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