7月8日へ

マターリマターリ

第1話 おしまい

「眠い・・・」

時刻は16時30分

フリーターとして日々を過ごしているサカモトはいつもより早く起きてしまい寝不足気味でシャワーを浴びに行った。


「今日も元気にファミレスで~は~た~ら~く~」

頭をシャンプーで洗い流し体も同時に洗いさっぱりとした気分で髪を乾かし部屋に向かい、いつも通りスマートフォンで時間をつぶすことにした。


「SNSで時間が無限につぶれるな~・・・あ?渋谷で何かあんのか?」

投稿を見てみると黒い服を着た100人前後の集団が目撃されビルの屋上で何かしているという。


「まあどうせどっかのコスプレ集団だろ。お茶でも飲むか」

ヒップホップをかけながら麦茶をコポコポと汲み未だ火照っている体に冷たさが染み渡った。

SNSの更新は自動的に行われるものの先ほどの話題ばかりだ。

・黒い服の男女100名がビルの屋上で儀式を行っている

・近づいて馬鹿にしてやった笑 でも反応マジねーわ爆笑

・これは黒魔術のヨカーン

・さっきから犬が唸ってるだけど地震?

サカモトはバイトの準備を終え総菜パンを食べ終わるとベッドに座りチャットを使い友達と明日遊ぶ約束を取り付けていた。

外からは急にフルートのような音が聞こえ始めた。


「うるせえなあどんだけ下手くそなんだよ」

まあいいやと時間ギリギリまで家で粘りSNSを見ることに


「今日は5時までか・・・団体客とヤンキーが来ませんように」

SNSを見ながら謎の祈願をしていると3分前の投稿で空が何やら怪しいようだ。


「みんな馬鹿なのか?外なんt・・・」

一目見た瞬間にサカモトの体が細胞レベルで狂い始めた。

姿は不定形でうねうねと動き巨大な体躯を空間にわが物として置き周囲には見たこともない形をした何かがフルートを引いている。

とにかく見てはいけないと拒絶するも体が動かせず手と足が次第に震え自立できなくなりその場に倒れこんだ。


「・・・息が・・・」

捻りだした言葉はそれだけで呼吸が荒く徐々に視界が濁っていくのが分かった。


バタン


ぼろいドアが開き何者かが部屋に入ってくる音がした。


「サカモト大丈夫か?口がもう開かないか」

「おま・・・え・・・だれ・・・」

視界がぼやけどういった人物かまでは分からない。


「たす・・・け・・・」

「戻るぞ」







「眠い・・・」

時刻は16時30分

フリーターとして日々を過ごしているサカモトはいつもより早く起きてしまい寝不足気味でシャワーを浴びに行った。


「今日も元気にファミレスで~は~た~ら~く~」

頭をシャンプーで洗い流し体も同時に洗いさっぱりとした気分で髪を乾かし部屋に向かい、いつも通りスマートフォンで時間をつぶすことにした。


「SNSで時間が無限につぶれるな~・・・あ?渋谷で何かあんのか?」

投稿を見てみると黒い服を着た100人前後の集団が目撃されビルの屋上で何かしているという。


ピンポーン


「あ?なんだよ?これからバイトだってのに」

「サカモト元気か?今回は間に合ったな」

・・・?全く存じ上げない人がいきなり俺の苗字を喋り困惑する。

・・・宗教か。そんな感じだろうという事で追い返そうとする。


「あー間に合ってるんで~すいません」

「まあ覚えてないのは当たり前だな これを見ろ」

・俺の赤い服を着た俺が死にそうな顔をしている写真

・俺の青い服を着た俺が全身血まみれで倒れている写真

・俺の大事にしていた初恋の久保田の写真


「な!?」

「これで少しは話を聞く気になっただろう。家に入れてくれ」

「わ、分かった」

家に入れると意味不明な事を聞かされた。

・これからお前は死ぬ

・アザなんとかって奴が出てそれを見て死ぬらしい

・それを回避するには過去に戻るしかない

・記憶のリセットを使えば0からだが全てやり直せる

・見せられた写真は全て失敗した俺

・他の人間には興味が無く俺に興味があるから助けてるとのこと

・お前が嫌でもやってもらう


「何を言ってるんだ?」

「本当だぞ後7分でフルートが聞こえこの世は終焉だ まあ繰り返し私が来るから意味は無いがな」

「じゃあ戻れるとして何日戻れるんだよ30分前とかか?」

「7日だ。7日ぴったり」

「バイトが一回だけ・・・」

「そんなことどうでもよくないか?」

「い、いやでも・・・」

店長が変わって厳しい事などもあるが、写真を見た以上信じずにはいられない


「どうすると聞いたところでお前が死んでもまた戻して私はお前の元に来るだけだし何も変わらない。全てをお前の手で解決すればいいだけだ」

「時間を巻き戻したら全て巻き戻るのか?」

「その通りだ。お前が生き残る術はそれしかない記憶もあればやりようはいくらでもある。ただし死んでも終わりは来ない」

「というか時間なんてどうやって巻き戻すんだ?」

「私がいる」

「は?」

「こんな写真を持ってる時点で疑え。私が言った事が全てだ」

信じるしかないという事だけで言えばそうなのだがどうすればいいか全く見当がつかず踏ん切りがつかないサカモト


~♪


「不味いぞ外を見るな。ではお前を7日前つまり7月1日の17時45分に送る」

「は?おい俺はやるわけじゃ」

「さらばだ お前のバイトとやらが終わったら家にいるからな」

「なっ!勝手に!」

意識は消えた。空間が巻き戻り不気味なフルートの音も消えた。



「誰も来ないのか?」

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