第15話 かくかくしかじかの決戦前
7月5日までの準備は済ませたサカモト
・半グレ集団の買収
・武器類の入手
・犬どもの対処のために手に入れておいたお守りの交換
前回とは違いクトゥグアもいるため完璧だが1度失敗しているためまず先に信者を奇襲で全員殺す事にした。
破魔矢の効果については試したものの翌日会った所信者に戻っていたため局所的には効果がある。
破魔矢は集合場所で号令がかかった瞬間に使い全員を正気に戻してから殺すという少し残忍だがそういった使い方をすることにした。
「だが待ってくれ」
「3年もあったのに今更質問か?サカモト」
「猫 お前はアザトースには負けた だがニャルラトホテプには勝てるんだよな?」
「もちろんだ」
「やはり信者に何か別の神が?」
「いるとすれば・・・副王とかだろうな だが気配が無い 前回戦った時はいなかったぞ?」
「何かないのか?例えばこうテレポートするとか」
「まあ該当するにはするが・・・まさかな 副王までいたのなら私たちに勝ち目はないぞ?どうする?」
「一体なんなんだよその副王ってのは」
「ヨグソトースだよ」
「で?そいつは何ができるんだ?」
「全てに繋がり全てと隔離されている空間に幽閉されているアザトースの副王だ
全ての時間、空間を自由自在に行き来できる」
「如何にもな感じだな」
「だが待ってくれ滅多な事では出れない 前回は人間のみだった まずありえない」
「念には念をだ 最悪何かしらで退散させるしかない」
「いると決めつけるのもありかもな お前に任せるよ」
猫と話すも話はまとまらず力を使い探知をかけるも教団内にはニャルラトホテプしかいなかった。その際にはニャルラトホテプがこちらを見て笑っていたがすぐさま止め逆に探知されないようにすぐに力を別の方向へ向けた。
「危なかったな」
「下手な詮索はよせよサカモト」
「ジョンに言われるレベルか 平和ボケしたか?」
「いやサカモト お前は神と接しすぎたんだ しょうがない」
「そうだな 神と人外と共に3年だもんな」
「短い期間ではあったがこの日本の食文化が学べたぞ」
「お前一番身近で一番遠い存在だよな」
「そうか?私とサカモトは親友だ」
「人間じゃない奴と友達になるなんて俺はラッキーだな・・・」
「なぜそんな遠い目をするんだサカモト」
「ははは 悪い悪い」
くだらない話をしながら日課だった筋トレを終え食事を作る。
「ほらカツ丼だ」
「「おお!」」
「ゲン担ぎ・・・つっても神様に祈るものだから何とも言えんが」
「「美味ければよしだ」」
「そうだな食べよう」
「「「いただきます」」」
消化を考え一昨日の内に高カロリーのものを食べるサカモトたち
「いやーうまかった」
「格別という奴だな」
「サカモト戦いが終わったら天丼を頼む」
「おお あれは未知なる美味さだった」
「お前らがうらやましいよ」
よほど美味かったのか士気は高まるばかりだ。
準備を終えて今日は寝ることにした。
7月6日10時
いつもの運動をして時間を過ごし持ち物チェックを行うことに。
・札1000枚
・お守り
・破魔矢
・銃
・マガジン6個
・時間巻き戻す木箱
「よしこんなもんだろう」
「サカモト準備は怠るなよ」
「もちろんだ ジョンお前は安全圏にいてくれ」
「ああもちろんだ」
「よし後は消化しやすい食べ物を用意して筋トレをしたら決戦だ」
「そうか 今日のご飯なんだ?」
「あまり味気が無いが鶏肉のササミや温野菜をノンオイルで食べるぞ」
「それだけか?」
「後は適当な糖分とカロリーメイトだ」
「そうか・・・あの固形は何とも言えない味だが悪くない」
「まあすぐ用意する」
簡単に茹で終え温野菜などで食事をとる3人。
「うーむ中々だな簡単なはずだが温かいだけでここまで美味いとはな」
「サカモト この私もここまで簡単な料理が美味いとは思わなかったぞ」
「そうか なら良かった あとはこのゼリーとカロリーメイトだな」
「「うーむ 甘味」」
「お前ら息ぴったりだよな・・・」
食事を終え寝る事にしたサカモト。
7月7日9時
ピピピという電子音と共に起きる。
「遂にやってきたな・・・」
「がんばれよサカモト」
「ああ」
すかさずSNSをチェックし動向を窺うサカモト。
「よしまだ渋谷に動きはないな 半グレ共は動いてるようだな」
今回のループではニャルラトホテプに一瞬見られただけだ。
猫曰く見られただけでは姿形までは分からないとのこと。
「完全な奇襲 半グレ共が殺されても猫で信者をまず殺す そのあとにニャルラトホテプを猫が追い出す手筈だ 儀式の場所には完全武装した半グレがいる 完璧だ」
前回の話を聞いており日本は滅ぼさずとも人の形を保ったまま戦えばニャルラトホテプも応じる。ダメでも地球外までもっていけば大丈夫とのこと。
「そっちが強大な力ならこちらもその土俵に乗るまでだ・・・あの邪神は許さない」
「神に噛みつく人間を久々に見たぞサカモト」
「神ではない私でもここまで人を辞めている人間は初めて見た」
「まあ俺もそんな気はしてるよ だけどこのぐらいでようやくイーブン 猫に背中を任せられるようにならなければこの戦いは始まらない」
「私は最初の奇襲以外はほぼほぼニャルラトホテプに専念だ つまり何があっても私はそちらに行けないぞ」
「大丈夫だ 現場が終われば後は儀式会場に行くだけだ お前にニャルラトホテプは任せる」
「ああ 頼まれた」
「・・・サカモト」
「あ?どうしたんだよ」
「お前に何があっても私は助けないからな」
「そらそうだ お前に何かあったら時間を巻き戻せない」
「・・・そうだな そこは任せてくれ」
「ああ 頼んだ」
「ああ 頼まれたぞサカモト」
作戦をもう一度打合せて時間差でジョン以外渋谷へ向かう事に。
7月7日渋谷 14時
「お兄さん ねえねえ」
「・・・」
客引きだと思いサカモトは無視を決め込み近くの喫茶店に向かう。
「まあ無視しないでよサカモト」
「え?なんで名前・・・」
「僕は黒服であって黒服じゃないんだ」
「お前・・・神の類だな?僅かだが神の力を感じるぞ?」
「バレたか まあいいや僕がもう一回サカモトの前に来る時までこれを持っててよ」
「あ?なんだこれ」
小さな銀のカギを貰った。丁寧にネックレスチェーンがつけられており何か力を感じるという事だけは分かった。
「なあ聞いていいか?」
「なんだいサカモト」
「お前は何の神なんだ?」
「大丈夫さ 何れ・・・何しろ数時間後に分かる」
「ニャルラトホテプではないのか?」
「あんなのと一緒にしないでくれ 僕の主人はあれより上だ」
「・・・どういうことだ?今までの」
「ループに僕はいなかった だよね?」
「!・・・お前時間を・・・」
「まあね いいんだ ただね1つ言っておくよ」
「・・・なんだ?」
「もし失敗しそうになったら僕を呼んでよ」
「どうやって呼べばいい?」
「そのカギを強く握ってくれ ノーデンスの力を持ってるんでしょ?なら一発で分かるからさ まあ握るだけでいいよ思いを込めてね」
「ああ 分かった」
「後まあ その箱はやめた方がいいと思うよ 神の力が入りすぎてる人間が使うと力を持っちゃうかもね」
「いや・・・もう人間はやめているよ いいんだそれならそれで」
「そっか じゃあねサカモト 僕はとある理由で黒服ごっこをしているけど殺されないし殺さないからさ 影から見守ってるよ」
「ああ・・・お前が敵じゃなくて安心したよ って待ってくれ時間を戻したらどこで会えばいい?」
「へ? ああ 鍵は大丈夫だよ時間や空間に置いて一つしか存在しないから消えないよ 大丈夫だよ」
「分かった じゃあな」
「じゃあねサカモト」
またもや神に近しい存在に会うも慣れたのか焦ることもなくなった。
時刻は15時30分。
「・・・今回で終わりだ」
コーヒーをゴクッと飲み干しタバコに火をつけ気合を入れる。
SNSで動きはないが駅前に徐々に黒い服の集団が集まってきている。
「タバコが美味すぎる 絶好調だ・・・よし行くか」
「さーてどうなるかな?神の視点で見ていこうかな」
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