第12話 犬の足音

7月2日の9時

「あーよく寝たな明日までは待ちだな クトゥグアとやらにどこで接触したかとか考えるけど対して思いつかんな」

「サカモトは武器は何か使えないのか?」

「一般人は武器なんて使わないんだよ」

「平和なのだな人類は」

ジョンが言ってきたのでナイフの使い方でも学ぼうか?という事でナイフを取り扱っている店に行き5本程度買い家でネットを見ながら学ぶことに。


「握り方は・・・こう持つのか 色々あるけど刺し方だけでも学ぶか」

逆手で持ったりするらしいがすぐにはできないと判断し普通の握り方で蹴りとかを混ぜる方がいいなと判断したサカモト。


「まあ腰を使うって奴なのか?難しいが一日やってみよう」

体を軽くするため筋トレなどを交えつつ一日行った。


7月3日に一度札を受け取りにいく事に。

神の気配を確かに神社から感じ取り本当にいるんだなぁと少し関心したサカモト。

気配を感じながら札の受け取りに行くといつもの巫女さんから神の気配を感じる。

まさか神様が巫女さんの真似なんてするか?と思いつつ伏せておこうと判断し札を受け取ろうとした。

「お前気づいているな?」

「!・・・巫女さんどうしたんですか?私は何も・・・」

「どうせドリームランドにでも行って神の気配に鋭くなったんだろう?」

「ドリームランド?いや全くなんのことか」

「隠さないでもよい 人間の支配、管理も神の仕事だ」

「・・・バレてましたか」

「くくく そもそもこの神社常人では来れない」

「え?でもインターネットに・・・」

「まあそうだろうな 凡そ人外にでも改造されたのだろう?」

「あー・・・そうです よくお分かりで」

「神を一度見せてやるか」

「へ?」

巫女さんらしき物は建物から出てきて境内で本来の姿を露わにした。

神々しい和服を着た神様だった。


「ノーデンスと違いますね なんというか神々しい」

「この姿は久方ぶりだ それより今ノーデンスと言ったか?」

「えぇ・・・はい」

「あいつはまだ人間に肩を貸すか 本当におもしろい おおよそ邪神の対処に困ってるお前を哀れんで力を授けたのだろうな」

「・・・その通りです」

「良い良い まあこのような札いくらでも作れるが・・・一枚当たり5千円でどうだ?そうすれば効力を3倍程度にしてやろう」

「!・・・ぜひお願いします」

「何枚を3倍にすればいい?」

「全部で!」

手持ちの2千万を取り出し500万を渡す。


「・・・のう 人間」

「はい?1千万で足りますよね?」

「・・・5倍にするから一枚1万でどうだ?」

「お願いします!」

「儲かったわ・・・くくく・・・これであやつに今月は大差をつけて勝利だ」

「神様もお金が必要なんですね」

「この神社は滅多に人が来ない 来ても少し広い綺麗な神社としか思わんだろうから収入が乏しくてな・・・人の姿になっても遊べたり贅沢ができんのだ」

「せ、世知辛い・・・」

「金を積んでくれればいくらでも私は協力するぞ?」

「・・・ニャルラトホテプと戦う事もできるのですか?」

「ああ あやつは無理だ 一度それでこの国は滅ぶ寸前まで行ったのでな下手に手を出したくない お前の道具などを作成したり協力はしてやろう」

「例えばどんな道具が?」

「神に労力をかけさせるな・・・と言いたいところだが 魔除け、正気に戻す物、弟達からカツアゲすれば時間を戻せたりする呪物や、大抵の物なら燃やせる呪物もできるぞ 後半の2つは人間が使うと壊れるからおススメはせんがな」

神様からカツアゲという単語が出る事に驚きながらも普通に使える物もある。


「例えば特定の神様を見つける物とかって何かないですか?」

「んー 神は基本的に動きたくないだろうからな お前が探そうとしている神に迷惑になってしまうからダメだ」

「そうですか・・・」

「時間を戻せる呪物でしたっけ?人間が使うと何時間巻き戻せるんですか?」

「やや 興味があるとは そうだな負担を考えると3時間と言ったところか?」

「ではそれと魔除けと正気に戻す物をいただきたい」

3つの注文という事になった瞬間にこやかな笑顔になる神様。

大丈夫なのか日本の神様は・・・と思いながらも値段はいくらか心待ちにする。


「人間よ・・・金は今いくら持っている?」

「・・・先に値段を聞いても?」

「そう言うな・・・ふん!」

何やらバックを凄い視線で見ている。


「札束が10というところか」

「なっ!」

「3つでそれ全部だ」

「商売上手なんだか分からんな」

倒すためならしょうがないという事で金を全て渡すと一枚ずつぺらぺらと数えて行き少し待った後数え終わった。


「今すぐ作ってやろう 弟よ恨むなよ」

何故か悲鳴が聞こえた後手元によく見るお守りと破魔矢と木で出来た箱が現れた。


「お守りが魔除けだ 神レベルでなければ近寄れんだろう」

「なるほど 信者などはどうなるんです?」

「邪神に仕えている馬鹿どもは触れたら痛みで立てんだろうな 近づくことも躊躇うといった所だな」

中々なお守りだ。これで信者におびえることは無くなった。


「破魔矢は広範囲の人間を正気に戻す 邪神に仕えているものは仕える前に戻るだろうな まあどうなるかの保証はしないが」

「・・・ありがとうございます」

使うのは最終手段と言った所だと考え丁寧にしまう。


「この箱も破魔矢と同じく念じれば時間を3時間程度巻き戻せるだろう 一日一回程度と思っておけ」

「いいですね ありがとうございます」


「こんなところか?いつでも待っておるぞ人間」

「実は時間を巻き戻せると言ったら信じますか?」

「ハハハ お前その類だったか 次からアマテラス様こんにちはとでも言ってくれ」

「分かりました」

「ではな 次のお前か今回のお前か知らんがまた会おう」

「では」


7月3日は一日ナイフの使い方箱を試していた。

「本当に巻き戻った」

「壊したはずのコップも戻っている」

「よかったなサカモト」

「ああ 糸口が見つかった」

筋トレやジョンと美味しい物を食べると一日が終わった


「さてとこんなもんだな」

「サカモト 私は役に立っただろう」

「ああ さすがだよ猫」

「いくらでも頼ってくれ(どや顔の絵文字)」

「微妙にうざいがまあいいか」

7月4日17時にサカモトは交渉を終えた。

ライダーズ、東北連合、国士と全てに交渉を行い7月7日に無貌教団の殲滅を頼んだ。ライダーズ40名、東北連合50名、国士30名と対抗できる上に1団体2億5千万と警察の捜査資料を渡し7月7日に集まってもらうことに。


「チンピラ、半グレ、ヤクザ ここらの人種とは関わらないと思っていたんだがな」

「勝つためなら手段は問わない方がいいぞサカモト」

「お前が言うと説得力がないよ」

「なぜだ?」

「俺を選んだからだよ」

「そうか・・・だが私は良かったと思ってる」

「なんでだよ?」

「料理も食べれるし人間との触れ合いは無いはずの心が温まるようだ」

「嬉しい事言ってくれるじゃない」

「まあ所詮私は人外だ 真に理解する日は未来永劫来ないよ」

「そうか?お前は十分人間だ」

「ありがとうサカモト」


う”ぅ”・・・


家の丸鑑から唸り声が聞こえた。


「不味いぞサカモト いや初めてか犬が来たぞ」

「犬だと?なんだそりゃ?」

「知ってる前提で動いてしまっていたこちらの不手際だ」

「何がどうなるんだ」

「ループしすぎると犬どもに感づかれる 惨い死に方になるから今回はあきらめろ」

「ジョンお前は逃げろ」

「無駄だ どこまででも追ってくる」

「・・・! これつけとけ!」

「なんだこれは?」

「いいから!」

ジョンとサカモトはお守りを首に取り付け丸鑑を警戒していた。

サカモトは白い光と共にナイフを持ちジョンは丸腰でおどおどしている。


沼から出てくるように鏡の淵から肉塊のような四足歩行の異臭が漂う化物が現れた


「落ち着けジョン とりあえず後ろのドアを開けて置け」

「わ、わかったサカモト」

犬と呼ばれている化物はこちらを睨み襲い掛かってくる。

速度はないものの突進にたいしてサカモトはジョンがいるため避けれず攻撃を行う

化物の突進は何故か弾かれ隙が生まれる。


「お”お”あ”あ”お”お”お”あ”あ”あ”」

「クソッ!ナイフは決定打じゃねえな!じゃあこれだ!」


札を取り出し青白い光とともに犬に札をぶちこむ。


「きょ”お”お”お”お”お”お”お”」

犬は体が青い光のような炎に包まれ消えていった。


「これで終わりか・・・?」

「サ、サカモトそんなに強いのか!見直したぞ!」

「まあ神様のおかげだよ」

「力を持ってるだけで凄い事だ それにしてもこの布から神の力を感じるが」

「お守りって奴だ ただ困ったことにループしてすぐに来たら意味はないがな」

「何度か犬に殺されてるんだ私たちは」

「時間巻き戻しってのはありがたいな」

「そうだな これが無ければ無理だろう」

「まあいい 今日までにやることはやった」

「まだあるのか?サカモト」

「クトゥグアだ 神を探す」

「私が原因だが ここまで神と接するとイカれてしまうのか?」

「良く言うよ」



「んー バレないといいなぁ」


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