第13話 さらば我が住居

「街を歩いてもな どうすればクトゥグアを?」

「頑張れよサカモト」

「それはいいってジョン・・・」

「ん?頑張るか・・・あ 能力を光で強化できないか?」


神を探知する力を強化するイメージで全身に力を入れる。


「あ・・・いけた ってか世界規模で見れる上にいろんな所に神様いるな」

神を探知する能力だけでなく地球の半分程度なら造形も意識すれば探知できるようになり最早千里眼という状態に。


「どれどれ地元のぼろ神社は・・・やべ目があった 怒られそうだから頭下げとこ」

ぺこりと地元の方角を向き謝ると5円が空中から落ちてきた。


「子供のころ遊んでた神社に神様がいたとはな・・・しかも5円が・・・」

「そんなことよりクトゥグアはいいのかサカモト」

「あ そうだった」

クトゥグアを意識し追ってみると上野のアパートらしき所にいるようだ。


「神様がアパート暮らしってどうなんだよ まあこっちに目を向けてないしバレてなさそうだな」

「サカモト帰りに何か美味しい物でも頼むぞ」

「お前・・・まあいいけどさ」

おおよそ上野と予想をつけタクシーで向かうことに


「どちらまで?」

「上野駅で」

「あの・・・何か燃えてるような感じに見えるのですが気のせいですか?」

「あ!・・・すいませんコスプレです 気にしないでもらっていいですか?」

「若い方は活力があっていいですねぇ・・・では出発します」

「・・・お願いします」

家からコスプレ衣装で出てきた変人だと思われたようだが事無きを得た。


「つきましたよお客さん」

「あれ?寝てました?」

「お疲れのようですね」

「ではこれで」

「ありがとうございます」

お釣りを受け取り車から降り探知の力を通常で使うと案外近くに反応を感じる。


「さーて協力してもらうか 人間の住処にいるなら交渉もできるだろう」

もう少しで場所につくが力は全く大きくならない事に疑問を感じるサカモト。

アパートの前につき部屋の前で力を使い感じ取るも微弱な力だ。

アマテラスの10分の1程度 とてもニャルラトホテプの天敵とは思えない。


「本当にここに? おほん あーすいません」

ベルを鳴らすと弱弱しい声が聞こえてきた。


「サカモトか やはりバレてたか」

「?・・・この声どこかで」

「覚えてないとはな」

「いや その少しアレなんですがあなたクトゥグアですよね?」

「サ、サカモトまだ気づかないか?」

「は!?お前猫か・・・?」

「そうだ」

「いいから開けろ」

「でもそんな・・・」

「ハングドマン これを言えば協力してくれるんだろう?」

「うぐっ しょうがないか 今開ける」

「悪いな猫」

ガチャっとドアが開き部屋の中へ招かれる。


「お前が猫?ってかクトゥグアなのか?」

疲れ果てたOLのような見た目でジャージを着ている 神らしき所がないどころか街中にいる独特なファッション子の方が神様らしいと言えるかもしれない


「そうだ私はクトゥグアだ 過去のお前に興味を持ったためにこんなハメに」

「なぜ最初から明かしてくれなかった?ニャルラトホテプの天敵なんだろう?」

「それは・・・」

「頼む答えてくれ」

「お前もここまで来たという事は神を感じれるのだろう?分かるかこの神性の低さ」

「あ・・・ああ どうしたんだ?」

「お前と共に戦い後もう少しの所でやられてしまった」

「何があったんだ?」

「要点をまとめて言ってやろう」

・過去に一度サカモトニャルラトホテプにのみクトゥグアと共に戦い退散させれた

・その際にクトゥグアは力を使い果たしたもののサカモトが信者にやられてしまった

・一部の信者が先に儀式を始めておりアザトースが召喚されクトゥグアもろともやられてしまった

・その後の数回のループで何とか形はとどめこの人間に寄生できたが力はあまり戻らず全盛期に戻るにはかなりの日数を要する

・そのために毎回知らないふりをしていた


「なるほどな・・・すまんな」

「いやいいんだサカモト」

「って待ってくれ お前なんでループを体感できるんだ?」

「そうだったな 私はお前の相方にこれを渡されている」

手を差し出し見せたのはトランシーバーの子機のようなものだった。


「なんだこれ?」

「時間のループを共に体感できる物らしい今はこれが壊れてもいいようにこの部屋自体を私の力で時間に干渉されないようにしている」

「今この部屋をなんていった?」

「時間に干渉されない部屋といったんだ」

「・・・お前それを先に言ってくれよこれで干渉されないじゃないか」

「私と住むのか?」

「いや ループで戻るときにこの部屋を使う そうすれば無駄な手間が省ける」

「うーむ男を入れてもいいのだろうか この人間がかわいそうだが」

「神がそんな事気にするな」

「そうだな」

別れを告げタクシーで家に帰るとジョンが待っていた。


「おいサカモト手に何もないじゃないか」

「あー・・・まあ今からとある所に行くぞ」

「そこで何か食べれるのか?」

「しょうがないな・・・道中で何か食おう 何がいい?」

「まだ食べたことのない物がいいな」

「カレーはどうだ?」

「あの茶色い液体か?美味いのか?」

「ああ 本場を食わせてやる」

「それは楽しみだ」

2人は玄関を開けカレー屋へ向かい美味しく食べた後猫の元へ向かった。


「ここだ」

「全くわからんぞ」

「あーやっぱりお前も知らないのか」

「だがまあ恐らくクトゥグアという所だろうか 微弱ではあるが禍々しい」

「その通り」

サカモトがノックをすると猫がドアを開けてくれた。


「おお サカモトとハンスじゃないか」

「ハンスという名前は3回目で使ってる名前だな つまり合っているということか」

「お前どういうことだ?全ての記憶を引き継いでるんだろう?」

「私は殺されると7月6日の記憶で一度リセットだ 記録データはあるものの猫のクトゥグアのデータは無かった」

「ああ ハンスにはデータに消去するよう言ってあった」

「そうか・・・一体なぜ?」

「まあそれは聞かない方がいい」

「そうか神のいう事は聞いておこう」

やり取りがあった後部屋の中へ入り今後について話すことに


「猫どうだ?全快になるまで何日かかる?」

「そうだなぁ・・・ただ待つのみだ あと3年程度必要だな」

「3年か・・・3年過ごそう 色々鍛えることもできる」

「好きにしてくれ 私は宿主の快楽であるクラッキングを楽しんでいるさ」

「そう言えば俺の金ってここに置いて置いたら無限の資金にならないか?」

「それはやめておけ この世に同じ物質が2つになってしまう」

「そうか・・・まあいいこの開いてる部屋を使っていいか?」

「ああ 好きにしろただ時間を巻き戻すときには外部から持ってきたものは全て部屋の外に置いて置け もし同じものがめぐり合わせてしまうと対消滅を起こす」

「あ、ああ・・・中々リスキーなんだな」

部屋に荷物を置き家を往復し必要なものを持ってくる。


「よしこんなもんか」

「サカモト私もここにいていいのか?」

「ああ もちろんだ」

「そうか美味い飯を食おう」

「ああ」

サカモトの3年が始まった。



「ああ?ノーデンスやら何やら臭うな どういうことだ?」

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