第7話 夢と料理と

どさっ


「うぅ・・・」

「「大丈夫かサカモト」

猫とジョンの慌てるような声がしているものの体調が悪すぎてグッタリしている。

時間は14時を示していた。


「ジョン悪いがベッドまで運んでくれ」

「それぐらいなら大丈夫だサカモト」

人の運び方を知らないせいか腕をつかんでずるずると運んでいく。


「この体は何て不便なんだ!」

「うぅ・・・すまない・・・」

「一体どうしたんだサカモト」

ジョンは苦情を猫は疑問をサカモトをにぶつける。


どさっとベッドにサカモトを置きジョンは細身の体を力いっぱい使ったのか息を切らしている。

「すまん・・・作戦は失敗だ」

「先ほどニュースで見たぞサカモト だがどうなっている?なぜサカモトがこんな状態になっているんだ?」

「ニャルラトホテプに会ったんだ・・・正確には喋られただけだが」

「よく耐えられたな・・・サカモトは耐性に関しては特別な物があるのだろうな」

「なんでもいいが正直あの重圧は二度と食らいたくない」

「今は休めサカモト」

「あぁ・・・」

目を閉じた瞬間深く眠ってしまう。



「・・・誰だ?」

「・・・?」

「・・・お前か」

「・・・ここはどこだ?」

「知らんでここに来たか・・・」

「あ、あなたは一体誰なんです?人間?」

「・・・分からずにここに来れてるという事は何かしら不可解な障害を起こしたという事だろう とにかく帰れ」

「お願いです誰なのか教えてください」

「非情な神だ」

「お願いです力を貸してください」

「既に貸しているだろう?まだ多くを望むのか?」

「まっ」


「てくれ!」

「どうしたサカモト」

「戻ったのか・・・クソ何かの手がかりを逃した」

「何があった?」

「老いた老人のような神と名乗る者にあったんだ」

「私も知らんな 地球の神か?」

「神に縁があるわけじゃないから分からない」

「うーむ・・・老人か・・・協力的な神など基本いないだろうしそれだけでは分からんな」

「ジョンもお手上げか」

「悪いなサカモト」

「いやいいんだ・・・って23時か一瞬だったがかなり寝たようだな」

一瞬に感じたが何者かと接触ができた。明日まで電車もつかえないため過去の事をメモしておく。


「大体こんなもんだろう」

「メモは大事だなサカモト」

「一応バックアップとっておいてくれ」

「同期済みだ」

「そうか ありがとう」


「それにしてもアレは単なる夢なのか・・・?」

「サカモトは最早人間から逸脱している 今までの常識では通じない世界だ」

「そう・・・だよな」

サカモトは異常性を再度認識し、この終わるか分からない7日間がいつ終わるのかという不安を噛みしめていた。


「サカモトの寝顔は中々に良かったぞ」

「猫・・・お前いい性格してるな」

「ふふふ・・・送っておいた」

「子供じゃねーんだからやめてくれ・・・」

猫はいつもの調子である。あれこれ他愛無い話をしているとニュースが日を跨いだ事を知らせてくれた。


「こんばんは。昨日のテロ事件は何だったのでしょうか?」

「あのビルには無貌教団という宗教法人があるという事しか分かりません」

「なるほど・・・宗教的な抗争があると?」

「まだ情報が全くありませんからねえ・・・それにしても誰一人死傷者がいないというのが不思議ですね」

「監視カメラにも人が入ってる様子があるらしいのですが、死傷者がいないとなると少し奇妙な感じがしますよね」

「そうですね ではVTRがありますので」


「クソ・・・」

やはり間違いなく教団は生きている事が分かった。


「だがまだ策はあるのだろう?」

「明後日・・・いや明日に無理やり正面から全員殺す」

「本当に可能なのか?」

「やるしかないんだ」

「そうか・・・まあやり直せばいいだけだ」

「お前!・・・いやすまない その通りだ 焦って全て台無しが一番ダメだ」

「頑張れよサカモト」

「お前・・・気楽だなぁ・・・」

「何を言う食事が気になって仕方ないのだ 計算式をもう少しで編み出せそうだ」

「お前・・・まぁいいか」


「だがあの神は俺に何の力を・・・?」

「以前のサカモトは武器を持って教団に入って言って死んだことがあるぞ 何かしら本当にくれたんじゃないか?」

「うーん全くわからん」


「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」

「「ついにおかしくなったかサカモト」」

「やめてくれ・・・なんか火でも出るかと思ったんだ。料理でも作るか」

「おお!期待してたぞ」

「・・・包丁は・・・っと」

「怪我をするんじゃないぞサカモト」

「はいは・・・は?」

包丁が良く分からないが光っている。別に何か光を当ててるわけではないが白い神々しいようなものを感じさせる光を纏っている。


「なんだこれ?今までなかったぞ?」

「一体どんなテクノロジーだ?」

「分からない・・・」

「サカモト私にも見せろ」

「ほれ」

「おー!」

ジョンも驚き猫はワクワクしている。

早速食材を切ってみる事に


「切れ味が・・・」

斬った感覚が全く無い状態で置いていた野菜が切れた。


「いやまて・・・」

よく見るとまな板を半分程度切ってしまっている。


「マジかよ・・・これきっと戦う力を貰ってるぞ」

「良かったじゃないかサカモト」

「すまんこれが切れるまで料理はお預けだ」

「大丈夫だぞサカモト」

時間にして30分経つと手の光らしきものは消えた。


「良く分からんが30分だけらしいな」

「早く料理を!」

「サカモト!ハンドパワーかっこよかったぞ!」

「うるせー」

肩を落としながら台所に行きコンソメとキノコがあったためパスタを作ることに


パスタを茹でコンソメスープとキノコで簡単なスープを作りコンソメパスタにした。


「おお!これは私の計算式では出ないはずだ!見たこともない細い食べ物だ!」

「それはパスタ!うまそうだな!サカモトに会えたらぜひ作ってくれ」

「お前俺の家知ってんだから来いよ・・・」

「それは・・・無理だ」

「そうか・・・」

急に恥ずかしくなったのか猫が黙った所で食べることに


「「いただきます」」

「美味いぞサカモト これは何というんだ?」

「コンソメとキノコのパスタだ」

「おお 計算式に新たな項目が追加されたぞ」

「わけがわからん」

2人とも同時に食べ終え食器を台所に持っていき水で流す


「さてと・・・食べたばっかりだけど寝ますかね」

「よく寝て体力をつけるんだぞサカモト」

「私も寝るぞサカモト」

「おやすみー」


ピッ


電気を消してベッドで寝ながら今日の事を振り返る。

・ニャルラトホテプとの出会い

・ニャルラトホテプは時間を認識できていない

・夢の中で会った老人との出会い

・隠された謎の力


「わからんな・・・」

考えを投げ捨てた所で意識は薄れサカモトは寝てしまった。




「あいつの匂いだな・・・どう出る人間」


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