サイケデリックドリーマー

旧都東京は十六句湾に浮かぶ夢島となっていた。そこでは人が消えるらしい。卒業記念の見物と称して友人に半ば無理矢理島に送り込まれた主人公五十嵐門は、友人を殴ることを決意する。何せこの島、やりたい放題。周辺水中には花火のように爆発するハリセンボンがうようよしている。行きに死んでもおかしくなかった。島唯一の橋は鯰か鰐の子によって通行止め中。知らずに帰れば死んでいた。中年人魚は両目からラフレシアを咲かす。ショック死してもおかしくなかった。
しかし奴を殴るには帰らねば。それには立ち並ぶビルの壁を越えた先、南の港から出る船に乗るべし。五十嵐門は、自分のことを「シモン」と呼ぶ不審人物アルトゥル・ディームトことアルの案内の元、島を突っ切ることを決意するのだった。
一方千代田区。夕暮れの塔では怪しい思惑が渦巻い…続きを読む