第2章 違和感
2-1 頼れる友人
「――へっ。ちょ。なんで――いゃっ!」
ホント俺の周り――と、言っていいのかはわからないが。なんか起こる 。
一心と柊花と再度何故か合流して数分もしないうちに今度は俺たちの近くで悲鳴がまた聞こえて来た。今日悲鳴聞く確率高すぎないか?
「女の子の悲鳴!行くぞ由悠!」
俺が自分の行動。特に何もしていないはずなのに、周りで何か起こることに心の中で嘆いていると、一心が叫びつつ走り出した。
「――今の声?」
そして何か気になることでもあるのか。一心に続くように俺たちと一緒に居た柊花も小走りで一心を追いかけだした。
「……行くしかないじゃん」
2人が事件?を思ってかはわからないが。走り出したのに俺だけ突っ立っているのはおかしいだろう。ということで、一心と柊花よりワンテンポだけ遅れて俺も走り出す。
ちょっと荷物があるから走りにくいが。すぐに柊花には追いついた。って、無駄に一心の足が速くすでに一心はすでに角を曲がって姿が見えなくなり――。
「お前!何してるんだ!その子を――って、
すぐに叫ぶ声――からのなんか一心?の知り合いだったらしい。俺はあまりピンとこなかったが――とにかく一心の知り合い?が何やらトラブル――とかとか思いつつ柊花と共に角を曲がると。暗闇の中。先ほど俺たちを抜いていった車が止まっており――その車の助手席のドアが開いており。その横で暗くてはっきりはわからないが。多分――小柄?そうそう先ほど知り合った松山さんと同じくらいの人影――って、車から降りて来ていたのは明らかにこの場にはおかしい――と、言っていいだろう。何故か白衣?を来た――多分男と思われる姿が。小柄なその人影の腕を掴み車に引きずりこもうとしているところで、その車の近くまで一心が迫っており。白衣の男?がこちら。俺たちに気が付いたのか。こちらの方を見るや否や。小柄な人影の腕から手を離し突き飛ばした。
そして、すぐに車の運転席へと乗り込み。ギュルギュルギュル――と、タイヤから煙出てない?というレベルで多分アクセルを踏み込み走り去った。そして車はすぐに次の角を曲がってすぐに車のエンジン音が小さくなり――わからなくなった。
「だー!くそ!杏奈大丈夫か?」
「う、うん。びっくりしたー」
何事?っかなんだ?と、俺が思っている間に一心が尻もちをついていた小柄な――やはり女性のところへと到着し。手を差し伸べていた――が。小柄な女の子一心に返事こそしたものの。特に一心の手は借りずに立ち上がった。
「やっぱり杏奈ちゃんの声だった。大丈夫?何があったの?」
そして俺の隣を一緒に走っていた柊花も一心と小柄な女性のところへと近付くと声をかけていたので――2人の知り合いらしい。
「いやー、わかんない。歩いていたら急に車が来て『乗れ』って。多分――50――60くらい?の男だった。あまり――怖さはなかったけど」
「なんか俺――無視されてね?」
「夜道1人でぼーっと歩いてるからだよ。って、杏奈家こっちだった?」
「うんん。ちょっと昨日いろいろあって疲れたから。大学終わりに気分転換でぶらぶら散歩してた」
「……そりゃ誘拐されるわ」
「なんで!?」
「杏奈みたいなかわいいかわいい世間知らずみたいなガキが1人でいたら狙われるよ。うんうん」
「ちょっと、柊花?今めっちゃひどいこと私言われた気がするんだけど?」
「おいおい。一応俺が駆けつけたからあの男逃げた――」
「気のせいでしょ?」
「いやいや、言った」
「ってか。まあ杏奈ちゃんなら捕まっても御家パワーで即助けられそうだけど」
「絶対嫌だし。借り作るとかありえないし」
夜道にて、誘拐未遂?があったが。そのあとは、なんか普通の雑談みたいになっているが。これはいいのだろうか?普通は警察――って、さっきもお巡りさん出動事案あったような――俺の周りマジで大丈夫か?って、そういえば一心がスルーされているが。でも一心の話し方的に友達?っぽいがこれがいつもの接し方?なのだろうか?などなどと俺が一歩下がって3人の様子を見ていると。柊花が俺の事を思い出したらしい。
「あれ?由悠って、杏奈ちゃんと接点ないの?」
そして不思議そうに俺を見つつ話しかけてきたが――俺はこの小柄な女性は知らない。なんか――見覚えなくもないというか。雰囲気的に同じ大学?の人みたいだけど。とりあえず知らないな。
「由悠――あっ、もしかして一心がいつも言ってるトラブルメーカー?」
すると、先ほど誘拐されかけていた女性が柊花の隣。お絵の方へと数歩近寄って来た。
暗かったから、今までははっきりはわからなかったが。女性が近くに来るとちょうど街灯の明かりがあったこともあり。腰まであるダークブラウン?くらいからはっきりは――だが。でもそんな感じの色に見える長い髪が揺れているのがわかり。すらっとしたスタイル。シルエット。そしてあれはわざと?なのか自然に?なのかはわからないが。口元に自分の人差し指を当てつつ。ちょっと上目遣いで俺の方を見て来ていた。あざとい――というのか。なんだろう。俺――調べられてる?って、その前に今おかしなことをいきなり言われた気がする。いや、おかしくはないんだが――でも認めなくないというか。
「おい、一心。なんか知らんが俺のことを勝手に変な意味で広げてるか?」
「トラブルメーカーだろ?」
「あれは――違う」
「はっきり言えてねえし」
だって、現に今もなんか近くで――でもこれはたまたま――多分。
一心が笑っているがそれは無視して、俺はトラブルメーカーとかいきなり聞いてきた小柄な女性の方を再度向く。
「えっと、誰か知らないけど。一応俺はトラブルメーカーで……」
「「でしょ」」
「おい」
そして、訂正をしようとしたが。何故かその時息ピッタリのタイミングで一心と柊花に突っ込まれた。そしてそれが面白かったのか。俺の方を見ていた小柄な女性も笑い出していた。
「うんうん。私が誘拐されかけたのは、えっと――トラブルメーカーさん?」
「横山」
「そうそう横山君のせいね」
「おかしいだろ。って――お宅――だれ?」
「おいおいおい、由悠。杏奈知らないのか?大学一の金持ちで美少女コンテスト間違いなく1位の子を」
「一心――キモイ」
「なんで!やっと反応したと思ったら俺への扱い!」
「「いや、いつもキモイ」」
「柊花と口裏合わせたのか!?」
「「事実」」
「……」
えっと、どうやら、3人?は友人。一心は――いつも通りというのか。基本女の子大好きだから――付きまとってるというか。まあウザがられてる?のは理解した。
って――だから誰だよ。この小柄な女性は。
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