概要
遙かな時を巡る、望みと償いの物語
かつてこの地には神秘のわざをもって栄えた”最初の人々”がいた。彼らが歴史から消え、遺された神秘をただ《王の力》としてのみ受け継いだワシュアール王国で、一人の少年が新王候補として選ばれた時、神秘は解き明かされ、彩詠術――色と音を詞で結び、世界の理より力を引き出す術――の歴史が動き出す(『金枝を折りて』)
約五十年後、地方の小さな村にも変化の波が押し寄せ、征服者としてやってきた王国の導師と、村の神殿を守る祭司は共存の道を模索する(『夜明けの歌、日没の祈り』)
そして遙かな時の後。彩詠術によって死を乗り越えたかつての女王とその夫が、王国の滅亡を見届け新たな地へ人々を導き、永きにわたる歴史の結びを語る(『久遠の振り子』)
※冒頭から面白いタイプの話ではないので、じっくりしっかり読みたい人向け。
約五十年後、地方の小さな村にも変化の波が押し寄せ、征服者としてやってきた王国の導師と、村の神殿を守る祭司は共存の道を模索する(『夜明けの歌、日没の祈り』)
そして遙かな時の後。彩詠術によって死を乗り越えたかつての女王とその夫が、王国の滅亡を見届け新たな地へ人々を導き、永きにわたる歴史の結びを語る(『久遠の振り子』)
※冒頭から面白いタイプの話ではないので、じっくりしっかり読みたい人向け。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!変わりゆく世界の目撃者になれる!
太古の神秘のわざ、「彩詠術」を巡る人々の愛憎劇。
知識を用いて世界を変えていこうとする人々と、変わりゆく世界、そしてそれらの葛藤が描かれている大変スケールの大きな作品です。
とても難しいテーマを扱いながらも、ミステリや恋愛等の要素、時にはコミカルなやり取りも交えつつ、大変読みやすく綴られた作者さんの技量に痺れます。
一人一人の感情描写も丁寧で、『金枝を折りて』のヴィルメについては、読み終わったあと何度も繰り返し思い返すこととなりました。ネタバレで語れないので、是非読んでいただきたいです……!
通して読むと、変わってゆく世界の、歴史の、目撃者となれます。 - ★★★ Excellent!!!詞(ことば)を彩る神秘の技。それは神の御業かはたまた悪魔の技術か——?
神の名の下に、いわれなき罪で父を失った少年シェイダール。
彼は神の存在を信じず、幼馴染の少女ヴィルメ以外には秘したまま、天候や作物の収穫の実情を調査し、神の不存在を確信していきます。
ところが、村に王の使いが訪れ、不思議な白石に虹の色を見たシェイダールを神に選ばれた次王の候補だと告げるのですが——。
細部まで作り込まれた世界と、詞(ことば)に色が見えるという不思議な感覚がまるで本当にそこにあるかのように脳裏に浮かぶ描写が美しく引き込まれてしまいます。
第一部となる「金枝を折りて」では代々受け継がれる王の力の秘密と、腐敗した神殿との対立など世界そのもののあり方と秘密が語られてい…続きを読む