変わりゆく世界の目撃者になれる!

 太古の神秘のわざ、「彩詠術」を巡る人々の愛憎劇。

 知識を用いて世界を変えていこうとする人々と、変わりゆく世界、そしてそれらの葛藤が描かれている大変スケールの大きな作品です。

 とても難しいテーマを扱いながらも、ミステリや恋愛等の要素、時にはコミカルなやり取りも交えつつ、大変読みやすく綴られた作者さんの技量に痺れます。

 一人一人の感情描写も丁寧で、『金枝を折りて』のヴィルメについては、読み終わったあと何度も繰り返し思い返すこととなりました。ネタバレで語れないので、是非読んでいただきたいです……!

 通して読むと、変わってゆく世界の、歴史の、目撃者となれます。