まず、キャッチコピーに惹かれて読み始めました。
冒頭から、グイグイ物語に惹き込まれます。
海の男ジェイクはカッコイイし、ヒロインの凛とした内面の強さも好みだし、そして何より、報われない恋のために命をかけるアレクシスが健気で切なくてカッコイイ!
キャラクター造形も素晴らしいですが、竜の贄という一番の謎が物語にミステリー要素を与えており、先が気になります。
イチャイチャするNカップリングが好きな方にもオススメです❤
ちょっと内容が大人向けではありますが、是非多くの人に読んで頂きたい……ような、自分だけの秘密にしておきたいような、そんな作品です❤
ホワイトハート文庫が好きな方は、きっとハマります!!
船乗りを生業とする男、ジェイクはある夜一人の美しい娘に出逢う。
複雑に絡み合う運命の元、出逢ってしまった二人。何やら事情を抱えている少女、ユーリに待ち受けているのはあまりにも過酷な運命だった——。
年若く美しい、けれど気高くてまっすぐな心を持つユーリ。悲壮感を感じさせず、淡々と、しかし運命に抗う意志を見せる姿は誰よりも強い。
そんな彼女を支え、「信じろ」と言葉をかけ共に海の旅へと出るジェイク。
道中語られる、ユーリの一族の秘密。竜の島という場所。風を纏う精霊や、ユーリに恋をするある国の王。
共に旅をする彼らは危うい一面も持ちつつ、なんとも魅力的で目が離せない。
航海という荒波の中、彼らに訪れる様々な試練や選択。そして付き纏ってくる運命の真実。
しっかりとしたファンタジーの世界観の中に、人間模様が織りなすどこか花の香りが風と共に漂ってきそうな蕩けるロマンス。
あまりの魅力に、登場人物の誰も彼もに、祝福の風が訪れるよう願わずにはいられないほど!
美しい文体で紡がれる物語に、ついつい時間も忘れて読むのが止まらなくなってしまう。
羅針盤の針が示す先は暗い海の底か、それとも——。
錨を上げろ、風をその両の手に感じて帆を張れ。その海と眩い愛の先に、きっと答えはあるはず。
明らかに身分の高そうな、ユーリと名乗る美少女に突然逆ナンパされる主人公のジェイク。
強引な要求を受け容れ、流されるように彼女の運命に巻き込まれ、また仲間たちと共に抗っていく海洋ファンタジーです。
ジェイクはノーと言えない体質なのか、ユーリに言われるがまま、諸々の宿命を受け入れているように見えますがそれも彼の強さの内。
どんな荒波をも恐れない心の強さと、恋敵をも受け容れる度量の広さによって、周囲の人々は絆されていきます。
またユーリとの関係もどんどん深まり、ほのかな恋情は分ちがたい愛情へと昇華されます。
クライマックスへとどんどん盛り上がっていく人間関係、ユーリの運命との対峙に目が離せません。
熱量高めな恋愛要素と、物語全体に横たわるシリアスな運命が絶妙にミックスされており、暗く・重くなり過ぎずに読み進めることができます。
上橋菜穂子さんの『蒼路の旅人』のような、船乗り×王族×冒険×ファンタジーといった要素が好きな方に、ぜひお勧めです。
素晴らしいです。もう素晴らしい以外の語彙はなくなりました。具体的に言うと長くなりそうなので主に3つ言います。
まずキャラクター。もう素晴らしい。完璧に噛み合ってる。まず主人公のおじさん。見た目や言動が悪そうに見えるけど、心の底は優しい。そしてヒロインはクールで強そうに見えるけど、心の底には弱い一面がある。そのふたりがとんでもなく噛み合ってる。
それに他のキャラクターも要らない、というキャラが1人も存在しない。もう全キャラ好きになります。
次にストーリー。泣きました。具体的にどこって言うと悩むくらいに泣きました。終盤は特に好きです。
王道のように見えて、ほんのちょっぴり王道から外れているようなこの作品。1回でいいから見て欲しいです。
番外編を含む全て読み終わりました。
とある過酷な運命を背負う少女ユーリと、海の荒くれ男ジェイクとの衝撃的で甘い夜から始まるこの物語。
進んで行くにつれ、とろけてしまいそうで痺れる甘い二人の仲に心がとっても暖まり、顔の熱も急上昇!
そして硬派な濃厚ファンタジーの世界が広がり、ユーリの過酷な運命にジェイクとその仲間と共に立ち向かって行きます。
その仲間の一人であるアレクシスが私の大のお気に入り人物でして、彼の一途な愛にとても惹かれていきます。私が。
本編終了後も、各人物のその後が丁寧に描かれていて、ぜひとも読んでほしいなと思います。
ユーリとジェイクの相思相愛という言葉がピッタリすぎる二人の大恋愛と甘過ぎる仲に皆さまもぜひドキドキしていただきたいなと思います。
愛す愛されるってとっても素敵なことだな、とこの物語から感じ、幸せのお裾分けをもらえて、とても幸せな気分になれますよ……!!
恋愛ジャンルだったので、もっと軽い感じなのかと思いきや、重い運命を背負った娘と、雄々しい海の男のロマンスが、重厚な世界設定の上で踊ります。
何故そのような旅立ちが必要なのかという謎と、ユーリがジェイクを選んだ理由、精霊のリィンはどうしてこんな事を?アレクシスとユーリの関係は?という、適度な謎が散らばっていて、本筋を追いながら、過去の出来事が混乱なく表現され、濃厚な物語作品として成立しています。
気づけば個々のキャラクターの魅力の虜。ちょっとしたやり取りも、適度な距離感が合って、恋敵であってもドロドロせずに、戦友的な間柄ともいえる絶妙さで協力していく様子は、心地よい程です。
嵐のシーンは頬に当たる雨の感触、波のうねり、雷鳴の轟音さえも聞こえてきそうで、平穏な航海との緩急差も素晴らしいです。
読後感もよく、読んでいて苦しいシーンもないため、何度も再読できそう。
広い海へと旅立つというのは、未知の世界へ向かう期待と不安の両方をはらむものだと思います。
このお話の主人公ジェイクは、そんな航海の知識と技術に長け、
ぶっきらぼうと見せて海のように深く広い心を持つ、
不安な旅の舵をしっかりと握っていてくれる人。
そしてもう一人の主人公ユーリは、
いずれ死を迎えるというままならい自分の運命を変えるために旅立ち、
その不安な旅路を共にする人としてジェイクを選びます。
そんな2人の船出に同行するのは、
ユーリを幼い頃から見守る精霊と、彼女に想いを寄せる隣国の王。
そして彼らが向かう先にあるのは竜が住むという島。
これだけでファンタジーが好きな方はドキドキしてしまうのではないでしょうか。
自分の使命や役目を背負うユーリ達に対し、
ジェイクの等身大の言葉が読んでいる私たちの感覚に沿い、
またその存在感が不安の中でも安心感を与えてくれます。
やがて過去に埋もれた愛の物語にたどり着くまで、
課せられた運命を変えられるまで、
共に船に乗り旅をしてみるのはいかがでしょうか。
美しくも猛々しい海。それを体現するかのような船乗りの男。
定められた宿命を背負って、公国に生まれてきた金の髪の娘。
がんじがらめであった運命と思惑の糸を切り開いて、自分たちの辿る道を見つけ出す大人の純愛物語です。
蕩けるような甘い時間にいやらしさはなく、しっとりと描かれています。
また僅かな時間も惜しむように登場するそのシーンの多さが、二人の深い愛情を表しているようでもあります。
少女から大人へと移りゆく、それだけでなく過酷な運命を背負う娘が抱える不安と希望、その全てを包み込むように、それでいて決して余裕があるわけではなく、常に立ち向かう姿勢の男。さらにそれを取り巻く人々や人ならざる存在。そして美しく雄大な海。
美しい筆致で描かれる情景と物語に浸ってみては如何でしょうか。
一話目からこの作品に出会えてよかったと思いました。
登場人物それぞれの心の機微や情景の描写が美しく、完成度の高い絵画を眺めているかのよう。航海のシーンは一緒に冒険に出るかような気分にさせてくれます。
ストーリーはテンポがよく、しっとりした大人のラブストーリーと重厚なファンタジーの趣とが絡み合い、失速することなく一気に進みます。恋と冒険に身を投じていく海賊ジェイクと運命に抗おうとする王女ユーリの恋に、最初から最後までドキドキしっぱなしでした。
海辺のテラスにでも腰を落ち着けて、少しずつ大切に読み進めたくなるような作品です。
ロマンスから始まる、満ち引き豊かな物語。
期待を裏切らない扇情的な展開の中、少女の覚悟と、男の情愛が見て取れます。
誰しもを魅了して止まない、美しき娘・ユーリ。
硬骨な船乗り・ジェイクもまた、彼女の花のような可憐さに引き込まれ、その心に触れていく内に想いを滾らせる。
そして、曰く付きの島へ彼女を送り届けること、囚われの運命を切り開く為に、共に船路を進むことを決意するーー
水平線を境界として描かれる海原の壮大さ、厳しさ。読者の心を小波の如くさらう美しき語りは、潮風が頬を撫でていくかのよう。
そして、何と言っても魅力に溢れる登場人物の面々が楽しい。
したたかに飛び交うジョークで笑顔になり、時に悲しみ、寄り添ってあげたくなるほどの切なさが、夕空へ棚引く雲のように伴います。
気付けば甲板で、舵を握る青年を愛ある眼差しで見守り、船室でワインを煽りながら、少年の巻き起こす風に噴き出していることでしょう。
読者をも船旅へと誘なう「海の王と風の娘」の世界。単眼鏡で見据える運命の島を目標に、いかりを上げて、追い風に帆をはらませよ!