東京大学『ギフテッド創成寄付講座』へ行って。

命令形なんておこがましいが
生きろ。生きて欲しいんだ。

凡庸な言葉を贈ると
難が有る人生は有り難いと思う。

元旦の震災で
食料も毛布も無い人が居る。

施錠された隔離病棟で
寂しさにあえぐ人が居る。

同列には出来ない
又、違った環境だけど
後者なら僕も経験済みだ。

精神疾患は日にちくすり
日々の積み上げが
投薬に勝ることも。

生きろ。生きて欲しいんだ。

タイトルにもある『ギフテッド』という言葉。天賦の才と訳されるが、それを意図せず得られた側の立場、心境はいかほどのものか、どこまで推し量れるだろうか。突出した数値は、その人の見方を変え、接し方を変え、生き方をも変えてしまう。知能を測るための尺度に過ぎないIQは存外、残酷なものだと打ちのめされる、それほどの衝撃を本作で感じ取ることができました。
永遠に続く劣等感、今この瞬間でさえも拭えない希死念慮、薬物治療を続けながら精神の安寧を保ちつつも、情緒不安定な生きづらさが随所で赤裸々に語られる。こんなに辛い思いをしても、前を向いて生きていかなければならないなんて、身を切られるような思いです。
まだ、あ…続きを読む

自分と他人が違うというのは当たり前だが、それらを理解する機会には驚くほど恵まれていないと思う。
『色んな人がいる』という当たり前を改めて考えるためにも是非一読を勧めたい。また、自分以外を知ることで見える自己もあるはず。

高い知能、特定分野で優れた才能を生まれ持った人の事を「神様の贈り物（ギフト）」からギフテッドというらしいというのは知っていました。

この作品を読んで、生きづらいにも人それぞあり、本当にただの「ギフト」という意味で受け止めて良いものではないと思いました。

現象に名前がついて原因が分かる、解決するのではなく腑に落ちる感覚がとても興味深いです。

どんどんと進めたくなります！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（545文字）

リアルでもネットでも、ギフテッドの人はなかなか見かけない。
その貴重な本人の体験談が語られる。

作者はそれまでの成育歴でいろいろとあり、
ギフトと同じくらいのハンデを負っているようにも思える。

IQがどうではなく「生きづらさ」を抱える人に、読んでほしいエッセイです。