ギフテッド……それは残酷なIQという名の冷酷な数字

タイトルにもある『ギフテッド』という言葉。天賦の才と訳されるが、それを意図せず得られた側の立場、心境はいかほどのものか、どこまで推し量れるだろうか。突出した数値は、その人の見方を変え、接し方を変え、生き方をも変えてしまう。知能を測るための尺度に過ぎないIQは存外、残酷なものだと打ちのめされる、それほどの衝撃を本作で感じ取ることができました。
永遠に続く劣等感、今この瞬間でさえも拭えない希死念慮、薬物治療を続けながら精神の安寧を保ちつつも、情緒不安定な生きづらさが随所で赤裸々に語られる。こんなに辛い思いをしても、前を向いて生きていかなければならないなんて、身を切られるような思いです。
まだ、あまり知られていない当事者のありのままの事実を、心の内を、この作品を通して少しでも知る機会となればと思い、筆を取った次第です。貴重な作者様のエッセイ、是非ご覧になってください。

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