第21話 スレイヤー武道会⑩
「遅せぇよ雑魚」
その声には、スレイヤー武道会で起きた異常事態の全ての元凶である雷に対する確かな殺意が込められていた。
「な!?」
「ぐはぁ!?」
雷は目にも止まらぬ速さでかんたに腹を切り裂かれた。
雷はかんたに切り裂かれた腹を腕で押さえ、傷口を完治させた。
それを見たかんたは感心したように、
「なるほど、お前の能力を使えば腕を再生するみたいに腹の傷も治すことが出来るんだな。」
と言った。
一方雷は、
(こいつ早すぎる...俺はA級のスレイヤーだぞ!?)
と、かんたの驚くべき実力に圧倒されていた。
「どうした?凄く焦っているようだが」
かんたはそんな雷を煽るようにそう声を掛けた。
(クソッタレが...)
雷はそう思いながら状況を把握する事にした。
(俺が今戦っている男はまだ力を全然出していない、対して俺は全力で戦っている。おそらく負けるのは時間の問題だ。更に相手の男の仲間であろう水色の髪の女は俺が召喚させた災害獣を全て倒し、手が空いている。恐らく相手の男が不利になったら戦いに割り込んで来るだろう...これはどう考えても負けるな...)
しかし、雷は焦ってはいなかった。
(だが、俺に出された
そこまで考え、雷は自分に殺意を向けて来ているかんたにこう言った。
「今回はここまでだ。また会おうじゃないか」
それを聞いたかんたはもちろん、
「あ?逃げる気か?俺が逃がす訳ないだろ」
そう言い、逃げられない様に雷を斬るために前に踏み込む、そして一瞬の内に雷の前まで近ずき、斬ろうとした。しかし一刀は、雷には届かなかった。
「な!?お前は...!?」
「
なんとかんたの刀は2人の間に突如として割り込んできた月宮・グングニルの武器である黒い太刀「
「貴方...!?」
その光景を見ていたみずきはそう声を荒らげる。
「貴方はあの時の。生きていたんですね。」
みずきの声を聞いた月宮・グングニルはそう淡々と言う。
「なんでこんな所にいるんだ!」
かんたはいきなり現れ、
すると月宮・グングニルは淡々とこう言った。
「我々は我が主である
それは最悪の始まりに過ぎなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます