第13話 スレイヤー武道会②


「それでは第57回スレイヤー武道会...」


「開始!!」

その放送と共にスレイヤー武道会は始まりを告げた。

「さぁ...どう立ち回ろうかしら...」

スレイヤー武道会はバトルロイヤルだ、どう立ち回るかが鍵になる。みずきはどういう立ち回りをするかを考えていた。

その時、


「今回のスレイヤー武道会はこのめいちゃんの独壇場よ!」

第3スレイヤー育成学校の1人である高野めいがビルの影から飛び出してきた。

「な!?」

みずきは開始早々現れた敵に動揺を隠せない。

「さっきからずっと我慢してたけどもう我慢とか無理!早速1人目殺っちゃうね!」

動揺しているみずきを待たずにめいはみずきに飛びかかり、異様に長く伸びた爪で斬りかかった。


「ッ!来なさい!王刃剣おうがとう!」

しかしめいの相手はA級スレイヤーだ。みずきはめいの攻撃を身体をずらして避け、自身の武器である大剣を具現化させた。それを見ためいは1度下がり、みずきと距離を取った。


「いきなりこの私に仕掛けて来るなんて、貴方相当自分の腕に自信があるようね」

みずきはそう言いめいに王刃剣おうがとうを向ける。

「自信?当たり前じゃん。てかアンタ弱そうだし笑」

「貴方、目が着いてないようね...良いわ。私の稲妻で気付かせてあげるわ!」

めいの挑発的な態度に腹を立たせたみずきは全身に青き稲妻ブルーインパルスを纏わせ、めいに斬りかかった。


「はぁ!」

みずきの稲妻の如き一刀は相手の武器である異様に長い爪でガードされたが、めいの身体を吹き飛ばした。


「なかなかやるじゃない、でもその速度じゃ私は捕まえられないわよ!」

めいは吹き飛ばされた身体を即座に立て直し、直ぐに反撃に移り、

風の爪エアカッター!」

そう叫ぶと同時に、爪で空を斬り裂いた。その途端、

「ッ!?」

みずきを見えない5本の斬撃が襲った。


いきなりの見えない斬撃に意表を突かれるがみずきは焦らない。冷静に斬撃を見極め、避けた。

「どう?驚いた?これが私の持つ技の1つ、風の爪エアカッターよ」

めいはそう言い、ニヤリと笑った。


しかしみずきはその攻撃をそこまで厄介だとは思わなかった

「見えない斬撃、たしかに厄介だわ。でもそれはその攻撃がの話でしょ?」

みずきはそう言うとめいに真正面から斬り掛かる。


「真正面から来るなんて舐めてるのかしら!」

めいはそう自分を舐めている様な攻め方をしてくるみずきに苛立ち、先程より強い風の爪エアカッターを仕掛ける。しかし、これがめいの過ちだった。A級スレイヤーであるみずきが考え無しに突っ込んでくる訳がないのだ。


みずきは風の爪エアカッターが当たる寸前に青き稲妻ブルーインパルスで回避、そのままめいの後ろまで行き、

伏雷ノ霆霹ふくらいのいかずちッ!」

めいに稲妻の斬撃を入れた。


「ぐぁ!?」

めいはいきなり目の前から姿を消したみずきに背中から斬り裂かれたという現実に驚きを隠せない。そして、

「これは...まずいわね...」

身体に傷は出来ないと言っても、本来なら死んでいてもおかしくない程の一撃。当然痛みは想像を絶する。


「これは勝負あったわね。」

みずきはめいはもう戦えないと判断した、だがこの判断は間違っていた、みずきはあなどっていたのだ、去年の準優勝者の実力を。


みずきがめいに背を向け、次の相手と戦いに行こうとした時、ソレは起こった。


「ハハ...ハハハハ!あまり見くびらないでよね、A級スレイヤー風情が!」

めいはそう言いながら立ち上がり、

災害獣解放ビーストモード!」

絶望ソレを解放させた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る