第6話 神の加護


「かんたさん、それは加護というやつです」「加護?」それは何だと言わんばかりにかんたがそう聞くと「加護、それは人では無い何かから貰う力の様なものです。加護を受けたスレイヤーは数が少ない為知っている人は少ないのですが」

と、れいらがそう説明するがかんたはどういう事か分からず頭を抱えているとずっと黙って聞いていたみずきが口を開き、「私の持っている能力は何かの加護ではないの?」と

聞いた。それに対してれいらは「みずきさんの能力はいつから使えましたか?通常の能力は生まれつき持っている物、ざっくり言えば、加護はあとから手に入れる力の事を言います。」と丁寧に説明した。「それなら私の力は加護では無いって事ね」みずきはそう言い納得した。そこに「ちょっと待ってくれ」とかんたが口を挟んだ「俺のこの力が加護だとして、一体それはどんな力なんだ?何か特別な能力はないのか?」そう、かんたは恐らく神様から加護を与えられている

神の力という訳だ、何か特別な力があるはずだ。その質問に対してれいらは「加護を受けた人間はしばらくの間、加護に対する耐性がついていない為か、凄く疲れやすくなります。そこから加護を受けた人間は夢を見るんです。夢の内容は加護を受けた人、それぞれ違う様ですがみんな共通している事があります。それは身体が動かしずらい事、加護によって使える様になる能力がそこにある事です。」そう説明した

それに対してかんたは「俺、さっき多分その夢見たと思う」

そう言うとれいらは「どんな夢を見ましたか?」と、夢の内容を聞いてきた。それに対してかんたは「身体全体が鎧に包まれていて、空中に火や水や雷が球体で浮かんでいた様な夢だった」そう言うとれいらは「かんたさんが見た火や水や雷は今後使える様になる能力です。鎧に身体が包まれているというのはその時まだ加護を受けているという事を分かっていなかったからでしょう。ですが今加護を受けているという事をかんたさんは理解したので使う事ができるはずですよ」とれいらは説明した。この時、かんたの頭には1つの疑問が生まれたそれは(れいらはなんでここまで加護の事を知っているのか)という事。その事を疑問に思ったかんたは「れいらはなんでこんなに加護の事を知っているんだ?」そう聞くとれいらはこう言った「私も昔与えられたんですよ、風の加護」それを聞いたかんたは(それならこんなに加護の事を知っているのも不思議じゃないな)と思った。「まぁこの話はまたの機会にで良いでしょう」れいらはそう言うと続けて、「あまり長くここに居るのも失礼ですね、今日は模擬戦勝利おめでとうございました。ではここらで失礼します。ほたる、行きましょう」と言い、2人は立ち上がって扉から出て行った。


2人が出ていったあとかんたはみずきに言えていなかった事を言おうと思い「なぁみずき、今日俺が控え室で倒れた後、みずきがここまで運んでくれたんだろ?その...ありがとな」やはり面と向かって感謝をするというのは恥ずかしいものだ。

かんたは顔を少し赤くしながらそう言った。それを聞いたみずきは「べ、別にいきなり倒れたから運んだだけであってかんたが好きだからとかじゃないんだからね!」とどこかでしたような会話をした。


その後、みずきは自室に戻り、その後スレイヤー育成学校の職員が、来た。内容はいきなりは部屋は用意出来ないからしばらくはこのメディカルルームを使ってくれと言うものだった。職員が去るとかんたは1人になった。1人でする事もないのでかんたはすぐ眠りについた。


19時、かんたの睡眠はは物凄い爆発音と共に終わった。

「なんだ!?」ドーンという爆発音と共に建物が崩れる音がした。窓の外を見ると女子学生寮が半壊していた。その光景を見て真っ先にかんたはみずきの顔が頭に浮かんだ。「みずき!」そう叫びかんたは窓に片足を掛け、身体全体に力を入れ、勢いよく窓から飛び出した。


事が起きる前、みずきは女子学生寮の前で、軽いトレーニングをしていた。「今日はこれくらいで良いわね」良い汗をかいたので今日はこれくらいで終わろうと思い自室に戻ろうとした時、みずきは後ろから。すぐに王刃剣を具現化し、後ろを振り返ると、そこには黒い太刀を持った赤い髪の女性がみずきに切りかかってきていた。「クッ...!」いきなり切り掛かられたがみずきはA級スレイヤーだ。この程度で切り落とされる様なスレイヤーでは無い。みずきはすぐさま身体に青き稲妻ブルーインパルスを纏い一気に相手の背後まで瞬時に移動した。そして、「悪いけど切りかかって来たのは貴方なんだからね!」そう言い、「伏雷ノ霆霹ふくらいのいかずち!」背中から真っ二つに相手を切り落とした。相手は恐らく、自分の能力を悪に使う者だろう、だとしても人を切るのは悪い気しかしない。そう思いながらみずきは切り落とした相手の方を見るとみずきは絶望した。「嘘、でしょ...?」そこには真っ二つに切り落としたはずの相手が立っていた。

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