第9話 悲劇のショッピングモール


デート当時。かんたはスレイヤー育成学校の門の前でみずきを待っていた。


すると、「かんた〜!」天使みずきがやって来た。

「待った?」みずきは白いワンピース姿で登場した。


「全然待ってないから大丈夫、ってか...可愛い」

かんたは思った事がそのまま口から出た。


みずきはそれを聞いて頬が赤くなり、「ありがとう...でも、かんたも、カッコイイわよ」と恥ずかしがりながらかんたを褒めた。


「そ、そうか?アハハハ」まさか自分も褒められると思っておらず、かんたは完全なカウンターを食らった。


「と、とりあえず行こうぜ」かんたは何とか冷静を装いそう言った。



雑談を交えながら2人はショッピングモールに向かい歩いていた。


そんな中でかんたはふとみずきを見ると、(いつもより可愛くないか?)と思った。


いつも可愛いのだが、今日は何故か格段と可愛く見えるのだ。

私服を着ているから可愛く見えるだけかと思ったが違う。


かんたは何がいつもと違うのだろうと思い、思考を働かせていると、


「どうかしたの?」とみずきが聞いてきた。


かんたは別に隠す必要も無いと思い、「いつも可愛いけど、今日は格段と可愛いなって思ったんだよ」とかんたは恥ずかしさからか、顔を反対に向けてそう言った。


するとみずきは嬉しそうに「そう?それは良かったわ」と言い、微笑みながら「実は今日、少しでも可愛く見られたくて、初めて化粧してみたの。失敗してたらどうしようと思っていたけど、可愛く見えてるなら良かったわ!」と言った。


それを聞いた瞬間、かんたはみずきが好きで好きでしょうがなくなってきた。(俺の為におめかししてくれたって事だろ?なんだよそれ、可愛すぎだろ天使じゃねえか)


だからかんたは勇気を振り絞り「なぁみずき...あ、あの、その...手を繋がないか?」と言い、手を差し出した。


「え、ええ。繋ぎましょう」みずきは恥ずかしかったのか、それとも嬉しかったのか、頬を赤く染めながら、かんたの手を握った。


こうして2人はまた1つ恋人の階段を登った。


ショッピングモールにつくと、2人はどこに行けば良いか分からなかった。


(俺、ショッピングモールとか女の子と来たこと無いけど、どこ行けば良いんだよ...)最近の建物はデカすぎると思いながらかんたはショッピングモールの地図を見ていた。


するとある文字が、かんたの目に入った。

「服屋さん...か」安っぽい服ばかり買っているかんたは、こういう店には行った事が無かった。


「服屋さん行ってみるか?」かんたがみずきにそう聞くと、


「私も最近行けてなかったし、行きましょ!」みずきはかんたの提案に賛成した。


店内に入ると、色とりどりのTシャツにパーカー、ズボンにスカートと、どれから見ようか迷う程だった。


そうして、店内を歩いていると、「ねぇかんた!これ可愛くない?」とみずきが水色のスカートを指さした。


みずきに似合いそうだなと思いかんたは「みずきに似合いそうな、可愛いスカートだな。試着してみれば?」そう言うと


「えぇ、そうするわ!」と、みずきはウキウキしながらスカートを持って試着室に入って行った。


みずきがスカートを履き終わるのを待つ時間はまるで、空腹の時にカップラーメンを作って待つ3分間の様な、何とも待ちどうしい時間だった。そして、


「履いたわよ〜!」かんたが待ち望んだ時間がやって来た。

みずきは試着室のカーテンを開けた。


そしてそこから肌白い足を露出させ、可愛い水色のスカートを履いた天使みずきが出てきた。


「きゃ、きゃわいい!」かんたはみずきを見て乙女の様になった。


「そんなに可愛かった?、嬉しいわ!」みずきはかんたの感想を聞いて素直に喜んだ。


その後みずきはスカートを買い、2人は店を後にした。


店を出ると昼頃になっていた。

「何か、食べるか」

「そうね、お腹空いたわ」

2人はショッピングモール内でどこか食べる所を探す事にした。


かんたは地図を見て、どこか良い所がないか探していると、

「このレストラン、良いんじゃないか?」良さそうな雰囲気のレストランを見つけた。


「なかなか良さそうじゃない!ここにしましょう!」みずきも賛成したので2人はこのレストランで食べる事にした。


この判断が、ダメだったのだ。


レストランに入ると、そこはなかなか雰囲気の良いレストランだった。


「良い雰囲気じゃない」みずきがそう言うと、「そうだな」かんたもそう肯定した。


入り口で待っていると、暗い表情をした店員が来た。

店員はかんたの顔を見ると一瞬表情が揺らいだが、直ぐに戻り、「お席ご案内します...」そう言い、2人を席に案内し始めた。


そして店内で唯一死角になっている席の前で止まり、

店員は2人の方に振り返り「ぐはぁ!?」




 

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