第4話 模擬戦
昨日はおかしい1日だった。美少女にいきなり蹴り飛ばされたり、神社で祈っていたら、急に強くなったりとおかしい事の連続だった。今日くらいは平和に過ごしたいものだ。
と、起きる前まで思っていた。
「行くわよかんた!」目が覚めると、いきなりみずきに腕を掴み、勢いよく部屋の
「あががが...」かんたは身体がバチバチ感電しているのを感じながら、地面にひれ伏していた。「いきなりごめんねかんた、男子が女子学生寮に入ってる事がバレたら大変だから窓から脱出したのよ」みずきは両手を合わせ謝るように言ってきたが、もう勘弁して欲しい。「で、今日学長と話に行くってマジなのか?」感電した身体を労いながらみずきにそう聞くと、「えぇ、これから学長の所に行くわ」みずきはそう返し、それと同時に歩き出した。かんたは乗り気では無かった。
あの学長は嫌いだからだ、全てを実力のみで判断する人間だからだ、しかしそれ以外にすることも無い
スレイヤー育成学校のエントランスに着くと、みずきは顔パスを使い、学長の元に通してもらうことになった。
「この扉の向こうに学長がいるわ。いい?話は私がするからかんたは余計な事言わないでね」かんたにそう強く念を押した。みずきも学長がどんな人間かを理解しているからだ。
ガチャ、そう両開きの扉を開けると、奥には椅子に深く腰掛けている中年の男がいた。「久しぶりですね、
こんな最低な人間に期待した自分が馬鹿だったと、自らの武器を具現化させ、無理やりにでも入れる様に脅そうとしたその時、かんたがそれを止めた。そしてかんたはこう言った「お久しぶりです國分学長、確かに今までの自分は
「貴方がウチの学生スレイヤーになんて勝てるわけないじゃないですかぁ笑まぁでも、良いでしょう。時刻は今から1時間後、場所は第2バトルフィールド、相手は私が決める。貴方が勝ったらウチの学校に入れてあげましょう。でも、負けた場合は二度とこの学校に近ずかないでくださいねぇ、良いですかぁ?」國分学長がゴミを見下す様にそう言った。「はい、ありがとうございます」かんたは頭を下げながらそう言った。「まぁせいぜい残りの時間もがけるだけもがけばいいんじゃないですかぁ?さぁ、話が終わったなら早く出ていきなさい」國分学長は話疲れたのか不機嫌にそう言い、2人を学長室から追い出した。
「かんた何言ってんのよ!?」学校を出ると、ずっと黙って聞いていたみずきが不満を爆発させた。「ウチの学校はかなり大きい学校よ、恐らくなかなかの実力を持った学生スレイヤーが出てくるわ。負けたらもう学校には入れないのよ?」
みずきがこれだけ怒っている理由も分かる。俺はE級スレイヤーであり、最弱スレイヤーだ。恐らく今までのかんたならこのような条件は出さなかっただろう。そう、
1時間が過ぎかんたは第2バトルフィールドに立っていた。
模擬戦が始まるのだ。観客席に目をやると、学生がちらほら居て、そこにはみずきの姿もあった。視線を前に戻すと、そこには1人の学生スレイヤーが立っている、「おいE級スレイヤー、俺はB級スレイヤーの
「只今より、E級スレイヤー 曽木かんた選手対B級スレイヤー 王建ライト選手の模擬戦を開始致します!」審判がそう言うと、観客席でちらほら拍手が起こる。その拍手を聞き王建ライトは「E級スレイヤーさんよぉ、逃げ回ってばっかで俺に恥をかかせんなよぉ?」そう煽るようにニヤリと笑いながら言った。これは模擬戦だ、だからダメージは受けるが身体は損傷しない。要するに
試合が始まると「来い
「こ、こ、こんなのイカサマだぁ!!」國分学長はそう言い観客席から飛び出して行った。どちらにせよこれでかんたはスレイヤー育成学校に入ることが出来るだろう。
良かったと思い、みずきはかんたの元に行く為に会場を後にした。そして、「あのスレイヤーなかなかやりますね」「ほたる、結構興味ありますわ」この模擬戦により、かんたは色んなスレイヤーに注目され始めた。
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