最終話 戦いの終わり、そしてその後。
「どした?もう攻撃せんのか?」
武は、明らかに戦意喪失している月宮・グングニルにそう言う。
「貴方に攻撃した所で返り討ちにあうだけです。」
対して月宮・グングニルは疲れ果てたようにそう言った。
「はっきり言って、貴方には私は勝てません。仮に分身を300体出したとしても、それは変わらないでしょう。」
そこまで聞いた武は呆れたように
「なるほど、よう分かった。アンタにはガッカリしたで。」
そう言い、前に踏み込んだ。
もちろん、月宮・グングニルの首をはねる為だ。
しかし、依然として月宮・グングニルは動かない。
武は不審に思ったが、
「アンタが動かんのやったらこっちも楽ちんやわ!」
そう叫び、ラグナロクを月宮・グングニルの首に振りかぶった。
すると次の瞬間、月宮・グングニルは、なんと自分の心臓に自身の武器を突き刺した。
「……ッ!?」
それに対して武は、いきなりの意味不明な行動に、一瞬動きを止めてしまう。
するとその瞬間、
「……なっ!?」
月宮・グングニルは、凄まじい爆風と砂煙を上げて、大爆発を起こした。
それと同時刻、かんたは遂に月宮・グングニル達が言っていた「主様」を見つけた。
「お前か?この騒動の主犯格は。」
かんたは後ろを向いて腕を組んでいる女にそう言う。
すると、その女はかんたのセリフを聞いて、
「あぁ、いかにも。我こそがこの争いの主犯、魔王なり。」
ゆっくりと振り返りながらそう言う。
「なら、殺すだけだな。」
かんたはそう吐き捨てると、強く地面を踏み込み、一気に魔王との間合いを詰める。
しかし、相手は魔王だ。そう簡単には攻撃は受けない。
魔王は身体を後ろにそらしてかんたの攻撃を避けると、
「来い、魔剣バルチックッ!」
そう言い、紫色の大剣を具現化させた。
「はぁ!」
魔王は直ぐに、かんたに対して大剣を振るう。
それをかんたは神威で防ぐが、
「……ッ!」
5メートル程後ろに吹き飛ばされた。
「なかなかやるな。」
かんたは魔王にそう言う。
「ふっ、まさかこれが本気だと思うか?」
「んな訳ないだろ!」
「はぁ!」
「たぁ!」
魔王の剣とかんたの刀がぶつかる。
が、ここはかんたが一枚上だった様だ。
かんたは刀がぶつかった瞬間、その衝撃を利用して後ろへ引き戻し、
「炎の奥義ドラゴンブレスッ!!」
刀に炎を纏わせると、その刀で魔王の腹を一刀両断した。
「ぐはぁぁ!?」
魔王はいきなりのダメージに血を吐く。
しかし、やはり魔王だ。まだ致命傷ではなかった。
そして、かんたもそれを分かっていた。
だからかんたは更に、
「最終奥義 森羅万象ッ!!」
刀に虹色のオーラを纏わせると、全ての力を腕に集め、
悶えている魔王に渾身の一撃をぶつけた。
それから一週間後、かんた達は結婚式場に来ていた。
もちろん、かんたとみずきが結婚するからだ。
「おう!お前ら!えらい元気そうやないか!」
武がれいらとほたるに向かってそう言う。
「あなたこそ、月宮・グングニルの自爆攻撃に巻き込まれた癖して、随分元気そうじゃありませんの。」
ほたるが意地悪っぽく笑いながら武にそう言う。
「ちょい!その名前は言わん約束やろがい!俺、今でもあの攻撃夢に見るんやぞ?悪夢や悪夢!」
「どの道、元気で良かったです。」
れいらが車椅子に座って、笑いながらそう言った。
すると、
「お、主役の登場やで」
武がそう言う。
それと同時に、扉の向こうから、かんたとみずきが手を組みながら歩いて来た。
「二人とも幸せそうですわね」
「あぁせやな。」
かんたとみずきは、神父の前まで歩くと、二人は見つめ合う。
「では、かんたさん。貴方はみずきさんを一生かけて幸せにする事を誓いますか?」
神父はかんたに対してそう質問する。
すると、それに対してかんたはこう答えた。
「はい、誓います。」
【完結】最弱スレイヤーがその身に神を宿しました。〜神社で徳を積んでたら神の力使えるようになったんだが〜 カツラノエース @katuranoACE
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます