第2話 神の力
「誰にも負けない気がする」
かんたはそうみずきに言った「どういう...こと...?」目の前で起きた事に驚きを隠せないみずき。
その時、神社の入り口で大きな爆発音がした。
2人が目をやるとそこには巨大な猫の様な災害獣がいた、地面から出てきたのだ。「また、災害獣!?今日は多いわね...」
全く、目の前で起きている事を先に理解させて欲しいものだ
だがこれもスレイヤーの定め。戦う他に選択肢など無い。
「かんたは下がってて、多分あいつは強い」そう言うと、みずきは
「青き
「くそ...!」直前で災害獣は身体をずらし致命傷にはならなかった
さらに「ガゥ!」勢いよくまだ地面に着地していないみずきを噛み殺そうと口を大きく開いた。「これはまずい...」地面に足が着いていない以上、次の一手は使えない。急いで王刃剣で身を守ろうとしたその時、噛みつきに来ていた災害獣の”頭が吹き飛んだ”
「!?」何が起こったか分からず呆気に取られていると、そこには災害獣の頭を吹き飛ばしたであろうスレイヤーの姿があった。
そのスレイヤーは、「大丈夫?みずき」E級スレイヤーであるかんただった。
みずきは何が起こったのか訳が分からなかった。A級スレイヤーである自分でも攻撃がズレたとはいえ、一撃で葬れなかった災害獣だ。なかなかの強さだった事は間違いない。それをE級スレイヤーであるかんたが一撃で首を切り落とした。だと?訳が分からない。
頭の整理が追いつかない。みずきは必死に思考を働かしていた。
その時かんたが心配する様に話しかけてきた「大丈夫?みずき、怪我してない?」「怪我はしてないけど...かんた、何その力...」驚きを隠せないままかんたに聞くと、「俺もよく分からないんだけど、みずきが戦いに行った時、俺も行かなきゃって思って、その時には傷も治ってたんだよ」かんたは不思議そうに言った
(自己再生まで...どうなってるのよ...)本当に意味が分からないがこうなった原因は恐らくさっきのかんたに吸い込まれていった光だろう。しかし何事にも順序と言うものはある。まずは、「とりあえず、地面の損傷が酷いわ、警察に連絡しましょう」一旦考えるのをやめ、かんたにこう言った「そうだな、まずは警察に連絡しよう」
かんたはその意見に同意した
警察に連絡した後、2人はさっきの公園に戻り、かんたが手に入れた脅威的な力の事を2人で考察していた。
「ほんとに何なのよさっきの力、まさか元々力を持っていてE級スレイヤーって嘘ついてたんじゃないでしょうね」E級にしては強すぎる力を持っていたかんたをみずきは疑っていた「違う違う!嘘なんかついてないって!」急いでかんたは訂正する、そしてこう続けた「仮に元から強かったとして、そんな嘘つかないでしょ」
「確かにそれはそうだけど...」かんたの反論にみずきは納得した。
「こんな事話し合っててもキリがないからとりあえず今日はもう遅いんだし、また明日考えた方が良くない?」とかんたは疲れた表情をしながら呟いた。確かにさっきからかんたはずっととても疲れた表情をしていた。それもそうだなと思いみずきは「そうね、明日また考えましょ、かんた家はどこなの?」そう軽く聞くと、思わぬ解答が帰ってきた。「家?そんなの無いけど」「はい?」みずきが呆気に取られていると、かんたはこう続けた「俺E級スレイヤーじゃん?だから家なんてないよ」それを聞いた途端みずきは弱いスレイヤー達への不遇を痛感した。かんたは今までずっと外で暮らしてきたのか...そう思うと凄く可哀想に見えてきて、気が付けばこう言っていた「じゃあ、私の家泊まる?」
へ?という顔をするかんた。それを見て自分が何を言ったのかに気づき、「べ、別に一緒にいたいからとかじゃないんだからね!?家がないのは可哀想だと思ったからなんだからね!?」みずきは顔を赤く染め急いで誤魔化した。それを聞いたかんたは「う、うん。別に女の子の家に行けるのが嬉しいとかこれってまさか脈アリ!?とか、お、思ってないから大丈夫だよ!?」かんたも必死に平常心を装った。まぁどちらにせよ家がないかんたにとっては家に泊めて貰えるのは凄く好都合なので泊めてもらう事にした。
みずきの家に向かっている時、かんたはみずきに今日質問された事をそのままみずきに聞いた。「みずきは何でスレイヤーになろうと思ったの?」そう聞くとみずきは、
「私がスレイヤーになった理由ねぇ、私はみんなが不平等になるのが許せなかったの。誰だってみんなと同じ様に笑って生きられる権利がある。なのに災害獣に殺された人達はみんなが生きられた時間生きられ無かったって事でしょう?私はそれが許せないの。だから誰も災害獣に殺されないように私はスレイヤーになったの」みずきの言葉には強い力がこもっていた。「そうなんだ。みずきにも強い想いがあるんだな」かんたがそう言うと、みずきは頷き、
「さぁ、着いたわよ、私の家」そう言い、みずきが見た方を見ると、かんたは冷や汗を流した。そこはスレイヤー育成学校の女子学生寮だった。
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