第34話 最終決戦④


完全に守りが居なくなった本体の月宮・グングニルは、相変わらずの無表情で一言こう言った。


「じゃあ次は百体いきますね」

 月宮・グングニルがそう言った瞬間、自分と、自分に突撃してきている二人を囲むように、月宮・グングニルが言った通り、実に百体の月宮・グングニルの分身が現れた。


 その光景を見たかんたは、

 (これはやばい...)

 そう思い、とっさに後ろを向きながられいらに、

「れいら!一度退け――」

 そう言った。しかし、そこでかんたが見た光景は――

 

 何体もの月宮・グングニルの分身に囲まれ、片手を切り落とされているれいらの姿だった。

「あァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 そうれいらの悲鳴が聞こえる。


「れいらぁぁぁぁ!!」

 かんたはそんな絶望的な光景を目にしてそう叫び、直ぐにれいらの方向に飛んでいく。そして、


「ふざけんなこのバカ野郎がァァァァァァ!!」

 何体もの月宮・グングニルの分身目掛けてそう叫び、

「水の奥義 水神の行進ウォータードライブッ!!!」

 先程放った水神の行進ウォータードライブとは桁違いの斬撃を放った。


 その途端、ざっと40人もの月宮・グングニルの分身を塵へと化した。


 その時、初めてかんたは神の力を使った全力の斬撃を放ったのだ。


 それを見た本体の月宮・グングニルは、

「なるほど――やはり貴方は凄い力の持ち主ですね。」

 と、かんたの実力を認める。


 対してかんたは、

「大丈夫かれいら!」

 月宮・グングニルの事などフル無視で、怪我を負ったれいらの所に駆けつける。

「ッ...!」

 れいらの傷口を見たかんたは絶望した。

 れいらは右手を完全に切断されており、肩から下が完全に無い状態だった。


 そんな絶望的な状況に追い討ちをする様に、まだまだ居る月宮・グングニルの分身達に本体が指示を出す。

「貴方達は確かに強いです。しかし、そんな状態では、私には敵いませんよ。そして勿論、主様の足元にも及ばないでしょう。では、さようなら。」


 そう言った途端、月宮・グングニルの分身達が、一斉に二人に襲いかかる。

 しかし、分身達が二人に攻撃しようとした、その時、


蒼き流星オーシャンスターッ!!」

 突如として現れた青き稲妻スレイヤーによって、月宮・グングニルの分身達は木っ端微塵になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る