いはゐつら　〜女官・福益売〜

主人公は家族のために売られ、女官となった福益売という少女。
奈良時代を舞台にした雅な雰囲気や言葉遣いが素敵で、世界観に引き込まれます。

しかし、どんな状況に身を置こうとも、彼女は明るく健気。
そんな彼女は時を経て、一人の運命と出逢う。

だが相手は寡黙でちょっぴり鈍い模様！
じれったさもある二人の恋路を応援したくなる！

果たして恋の行方は……？
ぜひ見守って頂きたい物語です！

　家の貧しさゆえ家族のために、福益売《ふくますめ》は上毛野君のお屋敷の女官となります。
　女官として雇われれば、家にまとまったお金がもらえるからです。

　そう、奈良時代、高貴なかたのお屋敷の女官となることは、売られることと同然。
　お屋敷のご主人に手をつけらても、むしろありがたく思わねばならない立場なのです。
　
　女官になった福益売《ふくますめ》は、何を見てどんな経験をするのでしょうか。

「あらたまの恋　ぬばたまの夢　〜未玉之戀　烏玉乃夢〜」では脇役だった福益売《ふくますめ》視点のサイドストーリー。
　ぜひ、お楽しみくださいね。

本編『あらたまの恋　ぬばたまの夢　〜未玉之戀　烏玉乃夢〜』でもヒロインの古志加（こじか）を支えてくれた女性が今回のヒロイン。

家族の為に女官になり、友人の為に自分の時間を使った優しい、福益売（ふくますめ）。
お相手も寡黙で不器用ながらしっかりと気持ちを伝える男気を感じられる素敵な人ですよ。

この物語はとても素敵なので、本編を読まれてから読むことをオススメします。
何故なら、福益売もお相手の川嶋も本編で頼りになる人物ですが、バックボーンが多く語られていないからです。
それらが繋がっていく気持ちの良い感覚は、逆の順で読むと薄れてしまうので勿体ない、そう思うんです。


もちろん、単体で読んで…続きを読む

この物語は奈良時代を舞台にした恋愛小説です。

本編の古志加の友人……福益売が主人公のスピンオフ作品です。
福益売が運命の男性に巡り合うまでの道のりを描いています。

彼女の恋愛に関する純真な感情や、生まれた環境から家族の為に女官になった経緯や苦難を嘆くことなく明るく生きる姿も心を打ちます。

奈良時代のロマンスを新たな視点で楽しむことができ、そっと応援したくなるような素敵な恋物語です。

是非、ご一読を！

この作品は「あらたまの恋　ぬばたまの夢　〜未玉之戀　烏玉乃夢〜」
という奈良時代を懸命に生きつつ、登場人物達が時代の波に揉まれながらも、確かな友情や愛情を育む物語で、その本編の主人公、古志加……

の、良き友人、福益売の物語です！

いわゆる関連作品というかスピンオフという立ち位置の作品ですね(^^)

たまにアニメとかでも使われてる手法ですが、本編で起きた出来事を、その主人公目線で見てる時、この作品では、この作品の主人公目線で振り返っていたりと、本編を知ってる人は思わずムフフとなったりもします！

また、本編では語られなかったエピソードも出てきたりします！

話数が少ない上に、単独でも面白…続きを読む

思い通りにはならぬ身の上で、女は少し年をとった。
男は実直に生きていたら、その年になっていて、女をくどくこともままならない。
見つめて、息づかいを感じ、ぬくもりをもっと近くにと願う。不器用な二人の恋。
女であること、男であること、その交わりを、おおらかにとらえながらも繊細に語られる、いにしえの力強い恋物語です。

奈良時代を舞台にした、寡黙で恋愛に疎い男（おのこ）と、恋愛を夢見る明るい女（おみな）のお話です。

読み終えて、ボク自身がとても幸せな気分になりました。
登場人物みなに詳細な過去があり、その心情が作者様の豊かな表現で、恋しい気持ち、辛い気持ち、嬉しい気持ち、様々な感情が伝わってきます。
気がつけば隣には立って応援している感覚で、お話の中に入り込み、一気に読み進めてしまいました。
遠い昔に思いを馳せ、素敵な男女の恋物語、是非、ご一読ください。おすすめです！

読みやすい内容なのは間違いないですが、そこまで話数がないのにも関わらず恋愛の流れがとてもしっかり描かれてます！

幸せになってほしいと思いながら、最初から読んでいられてとても楽しいものです！

福益売と川嶋が結ばれたのは、本編を読んで知っていました。
でも本編では深く触れられていなかったので、予想外でした。二人がこんなにしっかりと 恋 愛 をしていたとは。
もっと何となく、「言わなくても通じ合う」くらいに価値観の合う二人だから自然とそうなったのかな……と思っていました。
違いました。
まるで初めて付き合う高校生のように、「自分は恋している！」「好きです、付き合ってください！」という、超はっきりした 恋 愛 でした。
満足のいくハッピーエンドです。ご馳走さまでした。

わたしの万葉時代の恋愛のイメージはこんな感じー！！
おおらかに、豊かに恋していたと思うのです。
自由な気持ちで。
「オレの、妹（いも）となってくれ」
「あたしの、愛子夫（いとこせ）」
このシーン、泣きそうなくらい、うっとりしました。

愛するひとと、しあわせにしあわせになってね。
福益売！