概要
ツクヨミとヨモツ(イザナミ)の間に生まれた女神――ナオクスヒメ
藤原道長の長男――頼通
この二人が出会い、惹かれ合ったのは偶然だったのか、それとも必然だったのか。
平安時代を舞台に様々な女性たちの愛憎と陰謀が交差する物語。
*日本神話・源氏物語などが好きな方におススメです。
*ホラー要素、グロ表現があります。苦手な方はご遠慮ください。
*完結まで毎日1~2話更新予定です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!古典が苦手な方でも楽しめる素敵なお話です!
お恥ずかしながら日本神話はイザナギとイザナミのお話くらいしか知らない上に、あまり歴史小説を読んでいなかったのですが、世界観を壊す事ないしっかりとした文章でありながら、丁寧にわかりやすく書かれていたので、馴染みがあまりない自分にも読みやすく、きっと作者様が沢山勉強されたり工夫をされたのではないかと感じられました。
こうした話では用語などが難しいイメージだったので最初はついて行けるか不安でしたが、読んでいくうちにどんどん夢中になり、一気に読み進めてしまいました。
日本神話や時代小説が好きな方だけでなく、恋愛物が好きな方も楽しめるお話だと思います。
主人公であるナオクスヒメと彼女に惹かれる頼通、そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛と憎はかみひとえ。哀しき舞姫は踊らされたままでいられるのか?
一人の神と一人の人間、神と人、惹かれ合ってはいけなかったふたりの出会いによってはじまる物語。
出会わなければよかったのか、愛さなければよかったのか。
そんな迷いに生まれる人間らしさに、それを嘲笑う神もいて。
ある使命を受けて人の世に溶け込む主人公ナオクスヒメは何を想い、何を選び、何処へ向かうのか。
そして、そんな彼女の周りで渦巻く陰謀。
作者様のキャッチコピーにもある通り、世界の崩壊は始まっていたのか――? と、後半につれて回収されていく伏線にドキドキハラハラも募ってゆく。
一筋縄ではない神たちや多様なキャラにも魅せられて(個人的にオオマガツヒとナオクスヒメの神同士、人の世でのふたりにし…続きを読む - ★★ Very Good!!煌びやかな闇のある処
この物語の舞台となっている平安時代に、私はひとこと紹介の様なイメージを持っています。
今のように照明がある訳でないのだから、決して明るい夜はなかったでしょうし、また決して平和な時代ではないのですが、この言葉に共感していただける人には、間違いなくお勧めできる物語です。
歴史の知識がある場合、呼び名や記述、また風俗や習慣、思想についてに違和感を覚える事もあるかとは思いますが、それに対し、この煌びやかな時代を舞台にしているロマンが「無粋」という言葉で不満を阻んでくれます。
ベースとなっている日本の神話、古典に対する純粋な憧れをラッピングにして、現代の感覚をリボンにしてかけたような印象…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神と人、異類の悲哀はどこへ向かうか
日本神話と平安時代、未だ神と人とが近かった時代の物語である。
ある役割を追った女神を中心に据え、彼女に役割を命じた神、彼女のことを面白がって見ている神、そして彼女に願った人間惹かれた人間、そして更にそれを取り巻く人々、と、様々な登場人物によって物語は彩られていく。
そして物語の雰囲気を一切壊さぬ文体と、きっちりと描かれた時代背景の描写。このあたりについてはさすがという他ない。
中心にいる神は確かに神であるが、人間くささもある。これぞまさに日本神話の神と言えるのかもしれない。
どこか苦しみや悲しみも背負い、うまくいかぬことも多い異類の恋。それも含め物語はどこへ進んでいくのか。
ぜひご一読くださ…続きを読む