それらが凝縮されたエッセイだと思いました。
小説を執筆する、それはある意味内向的な行為ですが、カクヨムは「内側に向かって"良いもの"を絞り出しておくだけで、いつか誰かに読んでもらえる」というプラットフォームではありません。
エッセイの作者様が書き綴られているように、「自分の外側に向かって積極的に動く」という営業にも似た行為を実践しなければ、PVが増えることはありません。
「執筆した」という自己満足だけでは成り立たない厳しい世界ですが、そこを乗り越えたところには想像以上の大きなリターンが待っています。
これから小説を書きたいと思っている読者の方々に、一人でも多くこのエッセイが読まれれば、と強く思いました。
このエッセイは、単なる執筆指南ではありません。
「人生を変える挑戦の書」であり、魂の叫びを込めた「渾身のメッセージ」です。
作者さまが持つ真っ直ぐな情熱は、私のような若くない者から見ると、眩しくもあり、羨望の念さえ覚えます。
「もっと早く書いていればよかった」という痛切な後悔と、挫折と苦悩を、一切飾ることなく開示しているからこそ、その言葉は深く響きます。
「挑戦することは早い方がいい」という真実の言葉は、カクヨムでの具体的な戦略論と結びつき、行動でしか得られない「結果」へと繋げていく。
その「熱量」に胸が熱くなりました。
そして、その熱量に触れて、若くはない私も、後悔のないように今すぐ書き始めよう!と、思うことができました。
「読者=書き手」に寄り添い、背中を押す情熱と誠実さに満ちた……素晴らしいエッセイです。
「何かをするのにタイミングなんて関係ない」と言うけれど、そうとも限らないのが実際のところ。
何かに後悔し、嗚咽する前に何をやっておくべきなのか。
蒔いた種が成長する方法も踏まえた、小説投稿論。
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作者様の等身大の思いが聞けて、創作者であれば感化されるであろう一作。
これを読んで私が思ったことは2点。
1点目は一般人の努力というのは結局、「社会に対してどれだけ宣伝できたか」に集約するのではないかということ。
本作では就職活動のエピソードや、カクヨムの評価割合といったものが登場する。
それらが示す結論というのは即ち、そもそも大半の人物は「見られる」レベルにすら立っていないということだ。
これは創作者だからというわけではない。老若男女を問わず、生活を営むとは、なんらかの形で社会と接続することを意味する。
現代社会において、人として強くなるとは即ち、その接続を強くすることなのだろうな、と思った。
2点目、これはあくまで個人の経験によるものだが、
期間限定のイベントが人生にたくさんあるということ。
学生時代(青春)とかが代表格だが、実際創作をするのだって、精神的、時間的な余裕や、想像力などを考えると、
そこまで許されているわけではないのだ。
別に星が1000取れる作品が書きたいわけではない。なぜなら、そのレベルの作品は割合的には上澄みの上澄みであったとしても、母数の関係上、結局はたくさんあるし、
なおかつ何十年もの人生のなかで、たった数週間から数ヶ月盛り上がったところで……という思いがあるのだ。永遠に伸びる作品はないのだから。
しかし、凡作にしろ、来年の今も書けるかどうかはまた別の話なのだ。
だから筆を執るわけだ。