美術室、彩る黒

高校二年生の律は、中学の頃から不登校傾向で今もクラスの教室に入れていない。別室登校を続ける中、ある日訪れた美術室で、同じクラスの美彩季と出会う。律は久々の〝同級生との対峙〟に戸惑うものの、「話せるようになりたい」と思い始める。

孤独な二人の出会いは偶然か、必然か。
世界は少しずつ、色を変えていく。


　〜登場人物〜
＊黒瀬律《くろせりつ》…人見知りで真面目、自己肯定感低め。放課後に美術室で絵を描くことが日課。
＊葉山美彩季《はやまみさき》…常に気怠げ。塩対応だが実は優しいと評判で憧れの的。絵が好き。
＊伊東大樹《いとうたいき》…体育会系陽キャ。情に熱い。
＊鈴木風子《すずきふうこ》…学級委員。意見をはっきり言えるタイプ。
＊木田《きだ》…律らが所属する2年3組の担任。
＊尾花《おばな》……続きを読む