第7話
【娘が一人いますが、私は独身で兄弟姉妹もいません。私が八歳の頃、両親は服毒自殺をしてしまいました。以来、身寄りのない子供として孤児院で育ちました。
若い時は、地獄のような生活から何とか抜け出そうと必死でした。両親がいないため、良い学校にも行けませんでしたが、そんな困難に負けまいと死に物狂いでした。親戚からも見捨てられ、私は昼も夜も、一日中泣きながら、とにかく神に祈り続けました】
え? 急激に嘘くささが増した? 悲劇のヒーローを
ちょっと、そうちゃん。あんたどんだけ性格
●翌朝
なんか、昨夜は辛いことを思い出させて、ちょっと悪いことしたかもね。謝っておこう。
〖嫌なことを思い出させて、本当にごめんなさい。神様が
会ったこともない相手の傍にいるなんて、正気の
もうっ! いちいち
ひとまず、ちょっと話題変えるわ。
〖あと、これは本日のわたしのお弁当です。ところでローランド、あなたはいつもどんな食事をしておりますか?〗
ちなみにね~、今日のお弁当はなかなかの自信作なんだ! お弁当の画像を送信!
……って、お料理が得意な女子ですって、アピールしたいわけじゃないからね、別に!
こういうのを見れば、戦場で働くローランドも、いくらかでも
【お弁当ですか、美味しそうですね。とても興味深い。私はいつも七時に仕事を始め、十二時に昼食、その後、戻って三時まで仕事、様々な雑務もあり、最終的には夜の九時半までかかります。仕事の後は、大抵ブルースを聴いてリラックスしています。
時には、土曜日に書類に目を通して整理もします。それに、定期的に巡回して兵士達を診察し、彼らのカルテを作成しています。基本的に、日曜日は休みです】
なんでまた質問に答えないで、
……まあ、ちょっと変だけど、知ってほしいんだよ。いいじゃない。こっちもMSFの仕事には興味あるんだから。
まったく、そうちゃん、ローランドからのLINEにいちいち
【お弁当は自分で作るのですか?】
●その夜
【こんばんは。どのように一日を過ごしましたか?】(日本語)
ローランド、またこっちからの返信が待ち切れなかったのかな~♪ せっかちねヾ(*´∀`*)ノ♥
え? やっぱりコイツ、ヒマなのかもって?
何言ってんの。ローランドも忙しい合い間を
そんなことより、帰ってから、さっきまでうたた寝しちゃった。早く返信しなきゃ。
〖帰宅してしばらく寝てしまいました(´Д⊂ヽ お弁当は毎朝自分で作っています。でも、早起きが苦手な上に、料理もあまり得意な方ではないので、ちょっと大変です〗
お料理大得意ですぅ~!!! とかアピールはしないよ。まあ、人並み程度にはできると思うけど、あくまで
〖ローランド、兵士達や人々にとって、あなたのお仕事はなくてはならない、とても重要なものであることが分かりました。改めて、とても尊敬します〗
褒め過ぎだって? そんなことないでしょ。大勢の人達の救いになってるんだから!
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