概要
ドワーフの姫は、語る
「あたしはアイオン・アイオライト。ドワーフの美姫、シンシャ様にお仕えしている。
宝石と金属を愛するシンシャ様のもとには、さまざまな『秘密』を抱えた人々が相談にやってくる。たいがいの場合、事件のニオイをまとわりつかせながら」
アナグマの獣人アイオンと、宝石と金属を愛しまつわる謎を解き明かすドワーフの姫シンシャによるファンタジー〝鉱物〟ミステリ。
宝石と金属を愛するシンシャ様のもとには、さまざまな『秘密』を抱えた人々が相談にやってくる。たいがいの場合、事件のニオイをまとわりつかせながら」
アナグマの獣人アイオンと、宝石と金属を愛しまつわる謎を解き明かすドワーフの姫シンシャによるファンタジー〝鉱物〟ミステリ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ミステリとファンタジーの境界にて
鉱物に造詣の深いドワーフの姫シンシャを探偵役に、姫を慕うアナグマの獣人の少女アイオンを助手役にして展開される濃密なミステリ。
重厚な文体で、軽妙に描かれる謎解きは、読者を次のページへの誘う。
……しかし、あえてこの作品において特筆したいのは、ミステリというジャンルの閉塞感を、ファンタジー世界という道具をもって拡張しながら、歴史性という楔によって自己批判の意識をも内包している点にある。さらに、その歴史性をもまなざす重層構造が存在するのである。
ミステリはその性質上、制約が多く(ノックスやヴァン・ダインの戒律は、その典型だろう)、その可能世界は小さくなりがちである。(例えば、絶海の孤島である…続きを読む