僕らはよく似たラブソングをうたう

　高校三年生の主人公の青木健はジャズ・テナーサックスを得意とする。将来は父親に言われた通りに、法学部へ進み弁護士になるため、大学受験の勉強に励んでいる。
　夏休み。図書館近くの公園で、昼食を食べていると、偶然、親友の早川翔太が通りがかる。翔太は、ロック・ギターを得意とする同級生。容姿端麗で女にもてる。この日も、バンド活動の後らしく、背中にギターを背負っていた。
　二人が会話をしていると、一人の女性がやってくる。その女性は美しくて、二人はすぐ恋に落ちる。名前が、桜子と言った。桜子は夏休みを利用して東京からやってきた美大生で、公園の銅像を描きにきた。
　健らは、桜子をナンパする。そして後日会う約束を取り付ける。
　健は、自宅がジャズ喫茶だ。健は母親を小学生高学年の頃に亡くし、親戚に引き取られた。…続きを読む