第15話 異次元空間〜幸福か不幸か〜
天使と悪魔
堕天使と小悪魔
心の中の生態が
存在する
天使の心
悪魔の心
人を憎むとき
悪魔になる
人を恨むとき
悪魔になる
人に幸せを与える
天使の心
悪魔と天使
きっと誰もが
持っているはずだよね
サワサワ……
心地良い風が吹く。
「………………」
目を覚ます私。
「…ここ…」
辺りを見渡す。
白い綿毛のような広いお花畑が一面に広がっている綺麗な景色だ。
空気も澄んでいる。
ハッ
「…雪那…雪那っ!!」
隣で眠っている雪那の姿。
「…雪…那……生きてる…良かった……でも……ここは…一体……」
「ん…」
目を覚ます雪那。
「雪那?」
「悠漓…ここは…?」
「分からない」
「死後の世界?」
「…えっ?」
「いや…色々な説があるけど、お花畑とかってイメージ…」
「あー…うん…でも…」
ピョン…
私達の前に白い子ウサギが現れる。
「うさぎ…」
私達は後を追う。
まるで何かに導かれるように……
「……川……」
綺麗な小川が流れている。
「綺麗な…水…」
「そうだな」
「…やっぱり…死の…世界…かな?」
「えっ…?」
「だって…」
「じゃあ…これは…三途の川?」
「だとしたら?」
「渡ったら最後…かな…?」
「そう…かもな…」
「…………………」
スッ
私を抱きかかえお姫様抱っこをする雪那。
ドキン
「…雪…那…」
「訳の分からない所に二人きりなんだぜ?もう少し散策しようぜ!」
「…うん……」
私をおろし、私達は楽しんでいた。
お花畑の中で
小さな子供みたいに
走り回る私達
ドサッ
横になる私達。
「…空…青いな……」
「そうだね…空気も凄く美味しい」
「そうだな」
「…なんか…私……つまんない人生送ってたな…」
ドキン
キスされた。
「…雪那…」
「本当…そうかも…人間として…俺達…楽しんできたのかな?って…正直…そう思う。でも…お前に逢えた事が…俺にとっての良い思い出だと思う」
「…私も…雪那に…」
再びキスをされた。
「普通の人間として…俺は…お前と、もっと思い出作りたかった…」
「それは…私も同じだよ…」
私達は再びキスをすると、首筋に唇が這う。
「ちょ…ちょっと…待って…雪那…」
「駄目?」
「いや…駄目とか…そういう…」
「じゃあ良いじゃん!」
再びキスをされ、そのまま唇を割って熱が入ってくる。
慣れないキスに戸惑う私。
「最初で最後になる位なら、今、ここで1つになろう。悠漓」
ドキン…
「…雪那…」
「相思相愛なのに、このチャンスを逃したくない」
ドキン…
「もし生きて現実に戻れた時…どうなっているか分からないから…」
「…雪那…分かった…」
私達は1つになった。
そして――――
「……………」
目を覚ます私。
「雪那ーー」
女の人が名前を呼ぶ声が聞こえる。
「暗くなる前に、悠漓ちゃん送ってあげなさーーい」
私は辺りを見渡す。
「ここ…」
私は隣で寝ている雪那を起こす。
「…ん…」
「雪那、見て!」
雪那は辺りを見渡す。
「…ここ…俺の部屋…俺達…」
「…戻って…来てる…」
「生きて帰って来たんだ!」
私達は抱きしめ合う。
「雪那っ!聞こえてるの!?悠漓ちゃんを送って…」
ガチャ
部屋のドアが開く。
「あげ…まあ…もしかして…今から…?お邪魔だったかしら?」
「えっ…?」
私達は、お互いの体を見る。
「きゃあっ!」
「うわあっ!」
私達は裸だった。
「お邪魔しました♪お泊りコースにする?」
「えっ…?」
「連絡しておくわね」
パタン
「あっ…!あの…」
私に抱きつく雪那。
私達は勢いでベッドに倒れる。
「ちょ、ちょっと…雪…」
キスで唇を塞ぐと、そのまま深いキスをする雪那。
何度も何度も角度を変えるキスに私は吐息が洩れ、名残り惜しむように声が洩れた。
「………」
至近距離で視線がぶつかる。
「両方の親公認って…やつ?」
「…そう…みたい…だね…」
「せっかくだし泊まっていけば?」
「うん…そうする…」
私達は再び愛し合った。
「全く…イチャイチャと…まあ…下界を救ったご褒美と、二人の愛が奇跡が起きたんだろう…沢山、思い出を作って幸せになれば良い」
下界を見る神様のような仙人のような生態は、そう言った。
〜 THE FIN 〜
ありがとうございました★彡
天使と悪魔―宿命― ハル @haru4649
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