概要
父は猫の前でだけ弱音を吐いた。もうダメかもしれん、と。
人間ドックの予約を勝手にドタキャンするような医者嫌いの父。頭痛と眩暈を訴えたので病院へ連れていけば、余命3か月の末期ガンの診断が。肺ガンからの脳腫瘍はすでに3センチにもなっていた。母の希望で本人への告知は無し、家族だけが本当の病名を知る闘病生活。癌細胞に徐々に蝕まれていく父の身体と、少しずつ固まっていく家族の覚悟。 アルファポリス「第6回ライト文芸大賞」奨励賞受賞作。
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