癌に侵され余命幾ばくも無い父。本人に告知をしない事を選択した家族の感情を、ていねいで、地に足のついたようなしっかりとした描写で描いています。騒ぐでもなく、怒るでもなく。静かに現実を受け入れながら、出来ることを探って過ごす家族の心情が切なくて美しい。文学を愛する皆様にお勧めしたい作品です。
とても読みやすく引き込まれる文章であり、現実が突きつけられる実感がする。末期患者の身内の心境はこう言うものなのかと震える。