第2話 始まり

友達の話しによれば

その人は隣町に住んでいて

いつも車で通る道

バス停でバスを待つ私を

毎日見掛けて

気になっていたと言う


その人が男友達に

気になる人がいるんだ

バス停でバスを待つ人なんだ

毎日すれ違って

声を掛けたいけど

どうしたらいいのかわからない

そんな風に話をしたみたいで

それを男友達が

彼女に話したら

バス停の場所も

その女性の感じも

私の友達に似てる

一度会ってみて

違う人だったら

ダブルデートということにすればいい

そんな訳で

三人の中では

この日の段取りが出来ていたらしい


私は

友達の話を聞きながら

恥ずかしさでいっぱいになって

彼の顔を見ることも出来なくて

膝小僧に置いた手を

ただただ

見つめているしかなかった


「急だけど、お付き合いできませんか?」


顔を上げて声のする方を見れば

真っ直ぐな目で

私を見ながら

少し笑った彼がいた


それが

私たちの始まりだった

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