第7話 苦しい理由

苦しい

そう思うようになったのは

私の心に彼を想う気持ちが溢れ

いつも

どんな時も

何をしていても

彼のことだけを考えている

メールを送って

返事が返って来ないと

不安になったり

電話をしようかと迷いながら

出来なかったり

今彼は誰と何をしてるの?と

嫉妬のような感情が湧いてきたり

日常の中で

気持ちの浮き沈みを

コントロールできなくなっていた


待ち続けて逢えた時は

彼の笑顔に癒されて

抱きしめあえば

その温もりに不安を忘れる

傍にいることが喜び

ずっとずっと離れないでいて

そんなことを言うようになって

どんなに面倒臭い女に

私はなっていたか

それでも

彼はいつも

「わかってる」と微笑んで

優しく髪を撫でた


そんなひとときを過ごして

心と身体は満たされ

不安も嫉妬も取り除かれる

傍にいるだけで

涙だって零れそうになる


心が苦しいのは

彼を

愛し始めたから

きっと

愛しているから






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