第9話 季節の中に
それでも彼の傍で
季節の流れを
一緒に過ごしてきた
春には
桜並木の道を歩いて
ピクニックシートの上で
持参したお花見弁当を食べて
夏には
海で遊んで海を眺めて
夕日に染まる浜辺に腰掛けて
ただ
それだけの時間も楽しかった
秋には
動物園にも行ったっけ
お隣の水族館にも行って
大きな水槽の前で
泳ぐ魚を見ていたね
冬には
雪が見たいと言った私のために
少し遠出をして
雪の降る高原に連れて行ってくれた
真っ白な世界が
嬉しかったのを
私は今も覚えてる
季節の中に
私たちはいて
四季折々の場所で
そのひとときを胸に刻んでいった
だから今も
その場所に行くと
その時のことを思い出す
見つめた景色
手にした花びら
海の匂い
何にも変わらないのに
その場所は
その景色は
変わらないのに
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