概要
真夏の雪だるまが引き起こす惨劇!浮多郎の推理が冴えわたる寛政の捕物帖!
大門をくぐると目の前に広がるのが、仲の町の大通り。
大通りとはいっても、両側には引手茶屋が軒をならべ、夜ごと花魁道中が繰り広げられる吉原の大広場といってもいい。
毎年の恒例行事のひとつとして、三月朔日には桜を植えて、ここで花見ができた。
折からの猛暑で客が途絶えたので、大門横の四郎兵衛会所に楼主が集まり、何か客寄せの見せ物をする話になった。
そこで、知恵者が
「暑気払いに真夏の雪見をやろう」
といい出した。
大勢の大工と植木職人が、仲の町のど真ん中に大木を何本も運んできて真綿で飾り、根元には片栗粉を敷き詰め、たったひと晩で雪景色を作った。
(第一夜から抜粋)
大通りとはいっても、両側には引手茶屋が軒をならべ、夜ごと花魁道中が繰り広げられる吉原の大広場といってもいい。
毎年の恒例行事のひとつとして、三月朔日には桜を植えて、ここで花見ができた。
折からの猛暑で客が途絶えたので、大門横の四郎兵衛会所に楼主が集まり、何か客寄せの見せ物をする話になった。
そこで、知恵者が
「暑気払いに真夏の雪見をやろう」
といい出した。
大勢の大工と植木職人が、仲の町のど真ん中に大木を何本も運んできて真綿で飾り、根元には片栗粉を敷き詰め、たったひと晩で雪景色を作った。
(第一夜から抜粋)