Prologue

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 夢を見た。

 いつも夢の中で、私は空を飛んだり元気に跳ね回ったりしている。

 多分、私は夢想家なんだろう。現実リアルで出来ないことも、想像や夢でなら叶うから。

 そんな時、天女のように微笑む彼女に出逢った。多分、夢の中で。

 浮き世離れした彼女の不鮮明な表情は、、世界を深く愁えている証左か

 その彼女が私にこう言ったのです。


――貴方が〈ブラックスター〉として、この世界の可能性になるのなら、わたしは貴方のことを応援しましょう。


 ハテナマークが浮かぶ私に、彼女は更に告げました。


――だけれど、それは貴方次第。

 もし崩れてしまうか逸脱してしまえば、貴方は反対にディストーションと成るわ。


 良く、分かりません。

 彼女は一体何を言おうとしているのでしょうか。

 そして、これはどういう夢の暗示なのでしょう。


――それでも。わたしは貴方を見つけた。貴方の可能性は不確定。どうか世界を終わらせないで、先に進めて欲しい。期待しているわ。


 そう言い、彼女は透明な体を飛翔させたかと思うと、雲の如く消えてしまった。

 長く綺麗に伸びた髪が、未だ残像のような手応えを残していたが、彼女の姿は既にどこにも見当たらない。その上彼女の姿には、文字通り何の色も感じ取れなかった。


 なのに。木枯らしのヒンヤリとした感覚だけ、私の心に刻み込まれていた。

 恐らく、時が過ぎれば彼女に関する記憶は薄れるのだろう。

 目が覚めれば、彼女のカタチはほとんど想起不可能になり。

 彼女が語ったブラックスターという単語だけは、心の奥にズシリと刺さり、その日から迷える私の朧気な彷徨が始まるのでした。

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