~Blackstar 2.0~

――どこで間違えたのだろう。

 恐らく初手から。

 正常なレールは敷かれていなかったんじゃないか。

 ――スタートの合図を見逃したように。

 そもそもスタートラインにすら立たせてもらえず。

 ――――あの人と何が違っていたのか。

 それは決定的であり。埋まられない溝は大きく。

 ――まるで籠の中の鳥のように。

 毎日のようにテレビで眺める、野球中継で見る選手たちが少し羨ましい。

 ・・・・・・いや。観客でさえも。

 その内、閉じた世界の向こう側には行けないことを悟り。

 ――だけれど。こちら側とはどこなのだろう。

 ――――それもいつしか慣れた。

 慣れるのは簡単。きっとその環境に甘んじていればいい。

 しかし――――私には何もなかった。

 ――――実践という言葉が嫌いで。

 いつしかサイバーパンクの世界に憧れたりもして。

 誰かが助けに来てくれるのを夢に見て。

 ――――――――そうして。

 変わらない日々は変わらないのだと知ってしまった。


 涙はもう出ない。

 微笑みは既に鉄のよう。

 憧れは遠く。手を伸ばせば常に離れ行く。

 心は軋み。内側へと蝕む。

 ――――きっと。

 ――彼女は次第に、もう中身が潰れしまったのだと、錯覚し始める。


 ――――――――夜空には。黒い不吉な星が輝いて見えた。


――――blackout… to be continued.

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