廃病院へ侵入
三人で廃病院の前まで来た。
この前のように廃病院は暗くて不気味な雰囲気を醸し出している。
入口はふさがっていたので、外側にあるネットの穴から侵入した。
昨日逃げるときにねぅとの穴が小さくて一人しか通れなかったので、誠は持ってきたカッターで穴を大きくした。
もしかしたら、また追いかけられて危険な目に合うかもしれない。
慎重に廃病院の中に入る。
中にいる幽霊は妹だとわかったが、その妹は自分の意識で動いてないのかもしれない。
簡単に手元にあるナイフで、刺しに来る可能性だってな食わない。
侵入経路はトイレのところだけなので、遥におんぶをしてもらい一人一人入る。
相変わらず遥は一人でジャンプするだけで、トイレの高いところにある窓から侵入できた。
物音を立てると妹が来るかもしれないので、発する音は最小限にとどめることを意識した。
「開けるぞ。」
トイレのドアをゆっくり開け中に入る。
暗い廊下に手元にあるライトを照らす。
誰もいないことを確認して、地下にある倉庫に向かう。
そこには、家にあった妹の資料の書けているページがあるかもしれない。
後のページは誠が推測するに治療法などが書いてあると言っていた。
「行くぞ。」
誠が一番前に立ちライトも一番小さくして、幽霊に気づかれないようにする。
地下まで行くには、医者の休憩室の中にある階段から降りないといけない。
「え?」
けど、そこのドアは閉まっていた。
「私が開けてみるよ。」
遥は思いっきりドアノブをひねるとドアノブがちぎれた。
なんてバカ力だ。
ドアの老朽化もあったのが、ドアノブが取れると「キィー」という音と同時に扉が自動で開いた。
何かに誘導されている気までする。
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