逃げろ!!

 目の前の少女はナイフを投げて、西条は死んでしまった。


「きゃゃゃゃ!!」

 遥は叫んだ。


 その少女の幽霊は笑顔であった。


 一歩一歩こちらにちかづいてくる。


 この殺気と恐怖は昔の時と同じだった。


 少女が近づけば近づくほど声の出なかった。


 俺は足が震えていた。


「逃げるんだ!」


 誠は俺の腕を取り、走り出した。


「ははははっ。」っと笑う少女。


 西条の上に刺さったナイフを持ってまた切り刻んだ。


 その光景は、とても見てられない状況。


 少女は切り刻んだあと、こちらを見てニコッと笑った。


 ナイフをこちらに向けて

「次は君たちだよ。」といった。


 その後走っているこちらに向かって走り出した。


 帰り道の出入り口はひとつしかなかった。


 僕たちがこの病院に忍び込んだ時と同じルートを辿って帰らないといけない。


 まずは2階から一階へ降りる。


 その後に一階のトイレまで向かう。


 トイレの窓から出て、 外の病院に貼ってあるネットが来られている場所から通れば出られる。


 少女のスピードは俺たちのスピードよりも早かった。


 少しでも気をやるんでスピード落とせば追いつきそうだ。


 俺たちは切り刻まれる恐怖から逃げるためスピードを落とすことは命をかけてしないと決心して走っていた。


 少女が持っているナイフは、西条の血が1滴1滴と落ちていた。


 階段を一段一段降りるのではなく、二段飛ばしでできるだけ早く降りた。


 誰がその少女は、1回のジャンプで数十の階段を降りた。


 単純計算をしてこのままだったら追いつかれる。


 そう考えた遥は俺が持っていたライトを取って 少女に投げた。


 そのライトは少女の手に持っているナイフえ当たった。


 手元に当たった台風は地面へと転がっていった。


 その結果少女はその飛んでいったナイフを取るためにスピードを落とした。


 その隙を利用して俺たちはトイレに駆けこんで窓から病院の外へ出ることができた。


 外に出るとあとはネットから出るのみ。


 少女は病院からでる姿は無かったので一人しか入れないネットを一人一人ゆっくりと出ていった。


 そして俺たちは やっと逃げることに成功した。


 そして各自自分の家に戻ることにした。


 だが、西条の死の影響で俺たちはその夜、眠れなかったのであった。


 あんなに切り刻まれた体は、目をつぶるとその現場にいたかのような感じで出てくる。


 翌日の朝まで眠れるわけがなかった。


 あの日のことは本当に起きていたのだろうか。


 夢であってほしい。


 そう自分に言い聞かせた。





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