逃げろ

俺が一番後ろにいて、遥が一番前に行く。


穴の中には、暗くてまともに行き来できない。


しかも、道が複雑となっていて外につながているのがどこかは、空気の流れで判断しないといけない。


そんなことができるのは、遥だけなので先頭を任せた。


ガン!~!!!!!!!!!


地下の度派が開いた音がした。


階段を一段一段降りていく音から、ドアが破壊され地下に降りていくことが確認できた。


その音は、ゆっくりから早くなってくる。


「見つけた。」


妹は、穴からこちらを発見した。


「遥、はやく。」

妹は穴の中に入り、素早い速度で移動してくる。


「逃げろ!!」


遥は、道がどこにあるかを完全に把握できたのだろうか、走り出した。


その後ろをついていき後ろからの殺気から必死に逃げる。


手元には、この前西条がナイフを持ってきたときと同じナイフ。


ここで、遅れたらこの世から消える。


足は、もう動かないくらいまで来たが動かないと命がない。


辛さと死を天秤にかけながら走る。何が自分に重要なのかを。


もちろん命なので、思いっきり逃げる。


地下の穴は、とても長く外まで本当につくのかもわからない。


外に本当にあるのか。


足に力がなくなればなくなるほど、あきらめたくなる気持ちが強くなる。


「もう無理だ…。」


足のスピードを緩め、あきらめた。


息もあれ、体は限界の状態まで達している。


ここで、死を迎えるのか。


…。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る