第16話

 ちゅんちゅんと言う鳥のさえずりと共に目が覚めた。今日はいつもより天気が良く雲がひとつもない。

 スマホを見ると、6時になっていた。いつもより遅く起きたから疲れが取れた気がする。ベットから起き上がり、制服に着替えた。


 それにしても、休日はしっかりと休めなかったな...西園寺さんにバレて、胡桃にはあの時、連絡はしておいたが、なんで先に帰らせたのか日曜日に追求され...散々な休日だった。


 眠たい目を擦り、顔を洗った。その後はいつも通りに朝食を食べた。



 ──────ふと、思った。バンドの仕事について何かメールが届いているか確認した。自室に戻り、確認したところ土曜日に行われたミーティングの内容が送られてあった。内容は簡潔に書かれてある。


『お疲れ様です。ミーティング内容を送りますので確認出来次第、連絡をお願いします。本格的な始動は12月を予定、それまでは個々の準備期間とします......』


 と、様々な詳細が長々と綴られていた。12月か…そう思い俺は、マネージャーに確認が出来たと連絡をした。

 時計の針は8時を既に回っており、すぐに学校へ向かった。

 いつも通りTwitterのトレンドを見漁り気づけば学校の階段を登っていた。教室に着くと小鳥遊も胡桃も自分の席に座り友達と談話をしていた。

 俺は席につき、趣味である読書を始めた。10分もしないうちにチャイムがなるとぞろぞろと生徒が教室に入って来た。その中には西園寺さんの姿があった。

 

──────昨日のことだが、結局西園寺さんの車で送って貰った。インターホンを鳴らすのにどれだけ迷ったことか…


 読書をしながら西園寺さんの方を盗み見していたら気づいたのかこちらに顔を向け、謎の笑みを浮かべていた。

 それを見ていた胡桃は、後ろからものすごい気迫を感じるほどこちらを睨んでいた。


「く、胡桃さん…?もう許してくれたはずでは…?」


「秋…?なんですかその態度は?」


「く、胡桃さん…?ちょ、ちょっとやめてぇー!」


 俺の声に反応するように小鳥遊と西園寺さんがこちらに向かってきた。すると、2人とも何かを話した後に意気投合したのかこちらに一緒に向かってきた。


「あら〜、間宮さんと仲良しですね〜」


「秋さん…私というものがいながら何をしているんですか!!」


「誤解を生むようなことを言うなー!!」


 平凡で普通の生活をするというのが、俺の学校生活なのに、こんな騒いでたらすぐバレてしまうのではないだろうか…ため息をつき、STが始まる時間になった。


 去り際に小鳥遊は「しっかりと話を聞かせてもらいますよ!」と強気な口調で言い放ち、西園寺さんは妙な色目を使ってこっちを見てきた。それを見ていた西園寺ファンが俺を睨みつけていた。咄嗟に目を逸らし俺は机に目を向け再び大きなため息をついた。


 全員、席につき数分したところで先生が入ってきた。


 出席を済ませ、先生の話が始まった


「今日の放課後に体育祭の練習があるので全員参加するように、いいな?それと…」


 体育祭か…思い出した、俺はリレーに出ることになっている。メンバーは誰だろう?あの時は驚きすぎてメンバーをあまり見ていなかった。目立たずに過ごせるのだろうか…

その後は色々なお知らせの話を聞き、1時間目が始まろうとしていた。


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