第14話
胡桃に言われるがままに着いて行ったら、大きなMというなんとも分かりやすい学生に大人気のお店の看板がそこにはあった。
某ファーストフード店のマク○ナルドだ。
「私のおすすめのお店!!」
自慢げに言う胡桃に突っ込みたいところだが別の所に行こうと説得してみることにした。
「ここはいつでも食べれるんだし、もっと東京っぽい物食べないか?」
「嫌だ!私にはここしか…」
「もっとあるだろ!!」
突っ込みたい気持ちを抑えていたが、我慢の限界がきてしまった。胡桃は笑いながら俺の肩を叩き、しょうがないという顔を向けてきた。
言われるがままに俺は逆らえずそのまま、胡桃が選んだ店に行くことになった。
「で、何選ぶんだ?」
「待って!」
店の前にある商品が書かれてある看板を見ながら、待つこと数分、店内に入った。
いらっしゃいませーと言う元気な声がお馴染みの音とともに店中に響いた。まるで東京に来ていない感じがするが。
「ご注文をお伺いします」
「えっと、ビックマックのセットを2つ」
「おい、ちょっと待て?」
「どうしたの?秋」
「どうしたもこうしたもビックマックのセットを2つ頼む人なんて居ないぞ?」
俺は胡桃を見つめた。何故か、胡桃は不思議そうな顔を浮かべていた。いくら食べ盛りの女の子とはいえ、大人の男性でもきついぐらいのビックマックのセットを2つ頼むとは……恐るべし胡桃の胃袋、
「まぁ、私なら大丈夫!」
「その自信はどこから来るんだよ…」
苦笑いを浮かべ2人とも注文を済ませた。
胡桃はビックマックのセット2つの他に単品でテリヤキバーガーを頼んでいた。とんでもないな…
俺は何を頼んだかと言うとテリヤキバーガのセットを頼んだ。無難ちゃ無難だけどこれが一番おいしい。自信を持ってそう言える。
注文を終えた俺らは店員さんから番号のついたレシートを渡され、端っこの席に座った。
数十分すると、渡された番号が呼ばれ受け取り場所へ向かった。そこに向かうとトレー3つとあまり、見ない光景が目の前にあった。俺がたくさん乗ったトレーを運んでいると周りのお客さんに見られ恥ずかしかった。慎重に胡桃がいる場所へ運んだ。
テーブルに着くと同時に胡桃は自分の頼んだ商品が乗っているトレーを近づけ、待ってましたと言わんばかりの勢いで、バーガーにかじりついた。大きく口を開けて頬張っていた。まるでハムスターのように頬を丸くして小動物かのように見える。口に多く含んでいるが整った容姿は相変わらず整っている。思わず笑みが零れて胡桃が「何?」と言いたげそうな顔をこちらに向けてきた。俺は笑い返し、胡桃は再び頭にハテナが浮かんでいた表情になっていた、
胡桃の食べっぷりを見ていると自然とお腹が脹れてくるような感覚になるな。
俺はテリヤキバーガーを口に入れた。無難ではあるが、やはり甘辛いタレはいつ食べても上手いと感じる。
飲み物を飲みながら胡桃との昼食を楽しんでいた。
気がつけば、胡桃はセットを1つ食べ終わっていた。恐るべし、胡桃の胃袋、
「あの……」
そう思っていたら、誰かに声をかけられた。どこかで聞き覚えがある独特の声が聞こえた。上を見上げると見覚えがある人物がそこには立っていた。
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