第12話
胡桃の家を出ていった俺は家に帰った。
ポケットから家の鍵を取りだし鍵を開けた。俺は制服を脱ぎ捨て、お風呂に入った。時刻は20時だった。久しぶりになにかに集中したせいで一段と疲れた。
胡桃と大スマをやってわかったが俺はゲームの才能がまるでない。
いや、バンド仲間とやる時点で気づいてればこんな恥ずかしい思いをせずに過ごせた。俺もSwitchかって大スマでもやろうかなと思っているとズボンの中の携帯が震えていた。
ふと思ったが明日の予定を胡桃に伝えるのを忘れていた。俺はLIMEでメールを送った。
秋『明日の予定なんだが何時がいい?』
胡桃『秋に任せるよ!』
秋『じゃあ、9時にしよう。9時に東京駅に待ち合わせな』
胡桃『了解!楽しみにしてね!』
その後に、胡桃は猫のおやすみとかかれたスタンプを送ってきた。伝えることも伝えたし俺はテレビでも見てゆっくりしていようと思った矢先、携帯から音がなり電話が来た。
誰だと思いながら携帯を見るとバンドのマネージャーからだった。
「もしもし?久しぶりですね。どうかしたんですか?」
俺は電話に出ると懐かしい声が聞けて少し嬉しかった。
『もしもし?あ、秋さん。いきなりすみません。今週の土曜日にミーティングをしたいと思って』
「ミーティングですか?」
『明日なんですけど…空いてますか?』
「明日ですか……」
『どうかしましたか?』
「明日は用があって空いてないのですみません」
『そうですか…ミーティング内容はPCにお送りしますのでお願いします』
「はい。お疲れ様です」
ミーティングか……滅多にやらないから出た方が良かったのか?
いや、土曜日は胡桃との約束がある!の後はご飯を食べテレビと携帯で暇を潰し、時刻は22時を過ぎていた。
リビングの電気とテレビを消し、俺は眠りに着いた。
───ピピピッとスマホからアラームが聞こえ俺は目が覚めた。
カーテンからは太陽の光が差し込んでいて眩しい。9月の下旬とは言ってもまだ、暑い。シーツは汗で多少濡れていた。
俺は、子供の時からエアコンを付けない主義だ。扇風機は付けるがエアコンを付けたらお腹が痛くなる。これが主な理由だ。どうでもいいことを1人でぶつぶつと呟いていた。
今日は胡桃とのお出掛けだ。どこかに行くのはあっちで決めればいいだろう。俺は身支度を済ませ、優雅に朝食を楽しんでいた。
テレビにはいつものニュース番組が流れていた。すると、ニュースとは一転して「ブルー」の話題になった。
『ブルーはいつ活動を再開するのでしょうかね』
『そうですね〜。早く再開するといいですねぇ』
ここでニュースキャスターがディレクターに何か紙のようなものを渡した。
その直後、耳を疑うような事を言っていた。
『あ、ただいま速報が入りました。ブルーの事務所が活動再開するとの報告が入りました』
「え!?」
俺は1人でリビングに響き渡るぐらいの大声を出してしまった。
このことはもちろん知らなかった。すぐさま、マネージャーに電話をした。
しかし、電話に出なかった。自分の部屋にある仕事用のパソコンにメールが届いているか確認しよう。
───数秒後
確認したところ、目当てのメールであろうものがパソコンに届いてあった。
急いでメールを確認した。
「若月さん。ご無沙汰しております。今月から活動を再開するので、そのためのミーティングだったのですが今日は来られないようなので、ミーティング内容だけをお送りします。確認したら1度、お電話をしていただけると嬉しいです。マネージャーより」
と、かかれていた。いきなりのことに俺は驚きを隠せずは?と思わず呟いてしまった。
俺は戸惑いながらもう一度、電話をかけた。
「もしもし?」
『若月さん。お電話ありがとうございます。急なのですが、今月から活動を再開することになったのでお願いします』
「他のメンバーには伝えてあるんですか?」
『はい。他のメンバーはミーティングに来られるようです』
「そうですか。分かりました。ミーティングに出られなくてすみません。では、仕事がある日にまたお会いしましょう」
『はい。お疲れ様です。失礼します』
ブチッと音がなり電話が切れた。通話終了と画面には映っていた。そのあとも数秒間、俺は携帯の画面を見続けた。
いきなり活動再開になるとは…
俺はTwitterを開き、反応を見てみるとトレンドには「ブルー」が乗っていた。
「はぁ、何やら忙しいことが起きそうだ」
そう言ってスマホの画面を見てみると、時刻は8時20分だった。俺は急いで最寄りの駅で東京駅に向かった。俺の家からの最寄り駅は東京駅に行くには30分もかかる駅だった。
ギリギリにつくと思い俺は心臓がバクバクしていた。
30分もの間、電車に揺られ東京駅についた。東京駅の銀の鈴だっけか?そこに集合することになっていた。東京駅に来たことない俺からしたらここはまるで迷路だ。迷いながらも目的地までつくことができた。
しかし、目的地に着くものの胡桃の姿が見当たらない。そこで、数分待っているといつもと服装が違う胡桃がとても新鮮に感じた。チョッとだけ意識をしてしまいそうになる。気づいたときには動機が激しかった。近づいてくる度にそのかわいい顔が鮮明になってきた。
「ごめん!待った?」
ここは定番の台詞で答えよう。
「いや、俺もついたばかりだよ。それにしてもその服似合ってるぞ…」
恥ずかしながら言っているのがばれたのかこちらを見てきた。
「顔真っ赤だよ?大丈夫?あ、秋もその服似合ってると思うよ……」
「そ、そうか…それはありがどう」
ぎこちないやり取りを数分続け、恥ずかしさが一気に上がってきて顔を真っ赤に染めた。
俺はひとつの疑問が出てきた。このまま俺の心臓は持つのか?と。
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